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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第1章 ゲームブックの時代(2025年修正版)

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ゲームブックの時代 #06【日本版ウォーロックの登場!】(2025年修正版)

 クラスの中では既にゲームブックは下火になってからも、自分は細々とゲームブックを続けていました。一度はまると、狭く深く追求していくタイプの性格は、この頃既にあったのでしょうね。

 とても大きな転機となったのは、1987年(昭和62年)の年明け、三学期に入った頃だったと思います。とても長く感じた小学校生活も残り僅かの頃でした。


 社会思想社よりゲームブックの専門雑誌『ウォーロック』(当時は480円・消費税導入前)が発行されたことを知りました。当時はインターネットなどもありませんから、多分FFの本の中にそのお知らせが入っていたか、一番後ろの既刊本ページか、帯にでも書かれていたのでしょう。

 そうした専門誌があるのかと、子どもながらにワクワクしました。


 こうなれば、欲しくてたまらなくなるのが子どもというものです。早速、行動範囲内の書店をしらみつぶしに探しにいきました。こういう時って、労力を惜しまないんですよね。

 この時代は今と違って町の本屋さんが結構残っていまして、一つの駅前に必ず数軒程度はありました駅の無い町であっても、どこかしらに一軒はある時代です。

 今では考えられないことですが、町に書店があることは、別に珍しいことでもありませんでした。当たり前だったのです。

 それに町の書店はどれもそれぞれに味があって、とても良かったのですけれどね。自分にとってはワンダーランドでした。

 

 それはさておき。その『ウォーロック』ですが、中々見つかりませんでした。今に思えば、あまりにもマニアック過ぎたからでしょうね。

 ですが半ばあきらめていたその時、奇跡が起こりました。まさかの大発見でした。

 そこは商店街の裏にひっそりとたたずむ昔ながらの小さな町の本屋。番頭のおばあちゃんが、ジャンル分けもされていないで、ギュウギュウに雑誌が押し込まれたエリアの本棚を探し、その中から見つけてくれたことを今も良く覚えています。

 今に思えば、何故そんな町の書店に入荷していたのか、不思議でなりません。


 そこで手に入れたのは実は第2号で、それからすぐに第3号が発売になったと思います。

 その後、どうやってなのかは覚えていませんが、とにかく創刊号を手に入れました。

 もしかしたらバックナンバーのお知らせを見て、直接出版元の社会思想社に切手を送って購入したのかも知れません(昭和時代の切手は現金の代わりなのです)。

 今の時代だったらネット通販がありますから、在庫さえあればその日のうちに手に入ることだってあります。

 ですが昭和末期の時代ですと、一度買い逃すと中々手に入りませんでした。

 また発行部数も少ないため、問屋さんが扱っていない(書店によって、関わる問屋さんが違ったような話もあとで知りました)ときもありました。そうなると更に時間がかかってしまいました。

 更に雑誌上ではバックナンバーがまだあることをうたっていても、問屋さんになければ『無い』でばっさり切るれることも経験しました。昭和の書籍・雑誌の流通網って、いい加減なところもありました。


 この日本版の『ウォーロック』ですが、創刊当初は本国イギリス版の翻訳記事が多かった印象がありますし、表紙も流用でした。でもかえってそちらの方が、子ども心に想像力をかきたてられて私は好きでした(日本人の書いた記事がつまらないという意味ではない)。

 毎号選択肢200程のゲームブックが掲載され、他にはゲームブックに関する記事が掲載されていました。結構、資料的な記事や、他ゲームの紹介などもあったと思います。

 今であれば簡単に得られる情報でも、当時、外国と日本はとても遠い関係でした(お互いによくわからない状態)から、外国の文化に触れる貴重な体験となりました。


 ゲームブックのブームが去ってからも、実は高校生の途中くらいまで、『ウォーロック』は買い続けていました。中学三年生の頃を境にして、『ソードワールドRPG』に夢中でしたので、『ウォーロック』の購入はもはや惰性となっていました。

 購入を止めた理由は興味を失ったことと、お小遣いの節約ですね。『ソードワールドRPG』や、関連本、関連雑誌(『ドラゴンマガジン』、『RPGマガジン』)などにお金を使っていました。

 最終的に『ウォーロック』は50冊くらいは持っていたと思いますが、どこかのタイミングでその大半は処分してしまいました。大学生くらいの頃でしょうかね?

 現在は10冊ほど、思い入れのある号だけが手元に残っています。

 あれから30年以上が経過して、まさかWEBを使ってこうしてお話しする機会が訪れるとは思いませんでした。それがわかっていたら、全部残していたというのに、今となっては後悔しています。


 さて今回取り上げた『ウォーロック』ですが、実は私、投稿が2回も採用されているのです。自分の人生において、数少ない投稿採用事例でした(他は、30年くらい前の『ザ・スニーカー』くらいかな)。

 最初に載ったのは読者のページ。お便りコーナーでした。

 これ、実はゲームブックの『城塞都市カーレ』に関係したネタなんですよある挿絵に書かれているスペルの質問があって(これも多分、読者からのお便りだったはず)、その答えを書いて送ったら、何故か私のものが採用されました。

 その際にはあらかじめ掲載された場合を想定して、欲しいゲームブックを書いておくのですが、後日、希望していた『フリーウェイの戦士』が届きました。

 これはリビングストン氏が手がけた近未来のSF作品で、当時は購入するほど興味がなかったから、手元になかったのでしょうね(笑)。単純に持っていないから希望しただけだったと思います。

 でも実際にプレイしてみると、とても楽しめる作品でした(第5章『もっと広い冒険舞台へ!』のエピソード158から、この作品について書かれています)。

 

 もう一つは、このお便りもずっと分量のある内容で、結構大きな記事として採用されました。目にしたときはびっくりでした。

 そのときの景品として『モンスター・メーカー』というカードゲームをいただきました。当時のお値段が税込み2,060円(3%時代です)。

 何年か前に久しぶりに箱を開けて、カードの枚数を数えてみたのですが、一枚もなくなっていませんでした。付属のサイコロも説明書も残っていまして、今でもちゃんと遊べます。

 このゲームでの一番の思い出は、中学校の修学旅行の時に持って行って、部屋で大盛り上がりしたことです(よくその時、何も失くさずに持って帰れたなと思います)。


 なお、これをお読みの方であれば、当然知っておられるでしょうが、日本版『ウォーロック』は『ウォーロック・マガジン』を経て、グループSNE様の手によって、『GMウォーロック』(『GMマガジン』と合併したとのこと)として復活しています。私はこれまでずっと手を付けずにいたのですが、2025年の夏、ついに読者として再び手に取りました。

 通販サイトを利用し、現状手に入るだけの全ての『ウォーロック・マガジン』、『GMマガジン』、『GMウォーロック』をかき集めました。『ウォーロック・マガジン』と『GMマガジン』は、時間が経っていることもあり、全ては揃いませんでしたが、幸いにして『GMウォーロック』は第1号から揃えることが出来ました。

 とは言っても、遅れを取り戻すにはまだ相当な時間がかかりそうで、まだあまり目を通していません。ブランクが大きすぎますね。

 内容としては昔の『ウォーロック』とは大きく違うものの、現在のTRPGやアナログ・ゲームをわかりやすく一般的に紹介する専門誌としての立場は、しっかりと受け継がれていると思います。

 今度こそ、ずっとずっと続いてほしいものですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] ご愛読ありがとうございました。 お元気で過ごされているようで、嬉しい気持ちです。 あれから、長い旅だったような気もしますし、一瞬の夢だったような気もします。 最近では、復刻もありますが、ゲー…
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