FFシリーズ ~運命の森~ その2
前回は冒険が始まる切っ掛けについて書きました。
この手法というのは、今でも多いのではないでしょうかね? いきなり強制的に巻き込まれるような、この場合は押し付けですけれど。
ライトノベルなどを書いていて、冒険の始まりに悩んだら、この方法を使えば取り敢えず始められます。古典的ですけれど、とても便利です。
さて主人公である『君』は律儀にもこの依頼を受けるわけです。そのまま金貨(30枚)を持ち逃げできるというのに(笑)。まあ、持ち逃げしてしまったら、お話はおしまいですからね。
一応思案するシーンも描かれています。描写がとても細かいですね。こうしたシーンも雑に扱わなかったからこそ、プレイヤーをその気にさせ、より気持ちを高めさせたのだろうと思います。
そう言えばこの受け取った金貨30枚。こうしたゲームブックの世界は、金貨を使用するのが当たり前になっていますけれど、これ、どこで造幣されているのでしょうね? 実は支配されたゴブリンたちが、コツコツと作っているのかもって、だとしたら絶対に持ち逃げでしょうね(笑)。
この世界では冒険者から低級モンスターまで、みんな金貨を持っていますけれど、今に思えば不思議なのです。ある意味、みんながお金持ちです。
現実世界でもゴールドは採掘量が少ないですけど、この世界はたくさん採れるのでしょうか?
そこはつっこんじゃいけないのでしょうけれど、TRPGによっては通貨が銀貨だったり、銅貨だったりと、より現実的な方向にシフトしています。最初の『ソードワールドRPG』なんかも、銀貨だったと思います。今のものは触れていないので、ちょっとわからないです。
ともあれ、そんなわけでヤズトロモの住む塔へ、てくてく向かうところから始まります。
このヤズトロモ。後の『恐怖の神殿』(第14巻)にも登場します。この『運命の森』ではどんな容姿か、挿絵などは出てきませんでしたが、この時は半月型(下の方に円弧がある)の眼鏡をかけたおじいさんとして登場しました。
ヤズトロモはFFシリーズにおいて、数少ない善の勢力です。このキャラクターの詳細は『タイタン』に載っていますから、それだけでも重要なポジションに立っていることがわかります。
因みにこの『タイタン』には、ヤズトロモの塔の断面図が載っていました。細かく描かれていますけれど、比較的整理整頓されている感じです。
地下2階、地上8階に加えてペントハウス階みたいなのがあります。そこに天体観測用の設備が整っていました。
よく見ると3階に厨房があって、4階に風呂っぽいものもありますね。同じく4階には便所っぽいものも見えますけど、配管が外に突き出しているだけだから、庭先に落っこちるのか?
地下1階・2階にはちゃんと空気穴がついているので、結構手の込んだイラストになっていると思います。
現在の『再発版タイタン』は未見なので、ここまで掲載されているかはわかりません。




