FFシリーズ ~運命の森~ その1
FFシリーズ第3弾は『運命の森』。作者はイアン・リビングストン氏。過去2作品に比べ、これはフィールド・アドベンチャーと呼ばれるものでした。
原題は『The Forest of Doom』。運命と言いますと、日本では『Fortune』の方が知られていると思いますが、調べてみると『Doom』は『凶運』や『悲運』。悪い意味での運命というわけですね。
『Fortune』ですと『幸運』に近い意味で使われることが多いです。異世界ファンタジーの名作、『フォーチュン・クエスト』もそうですね。
あとお菓子にもフォーチュン・クッキーというものがあります。これがもしもドゥーム・クッキーだったら、中から凶や大凶が出てきて、食べたら不幸になりそうです。そもそもお菓子の中に紙なんて入れて欲しくないですけどね。
奥付を確認しますと、初版第1刷は1985年(昭和60年)7月25日。『バルサスの要塞』がその3か月前でしたから、正に人気のあるうちにイケイケ状態だったのでしょうね。翻訳者のかた、過密スケジュールだったと思います。
私が所有しているものは第20刷で、1987年(昭和62年)1月5日付け。およそ1年半後の増刷版となりますが、過去2作に比べると明らかにペースダウンしていますので、既にブームは下火傾向になっていたのではと今更ながら感じました。
タイトルの通り、舞台となるのは森です。ですがハイキングコースのような森ではなく、もちろん危険極まりない『ダークウッドの森』。
設定資料集『タイタン』で確認すると、アランシア大陸の西側、赤水川の南側に広がり、ポートブラックサンドのある海へ流れ込むナマズ川によって、二つに分けられていると書かれています。森は邪悪な魔物の住処で、危険極まりない正に魔の樹海でした。
この『タイタン』の世界観は、日本の異世界ファンタジーにはないダークな要素てんこ盛りなので、今でも触れるたびにワクワクしてしまいます。
物語が始まる経緯をざっと箇条書きにします。
・夜、『君』が野宿していると、腹に2本の矢が突き刺さったドワーフが現れる。
・瀕死の重傷にも関わらず、滅茶苦茶丁寧にわかりやすく、ことの経緯を説明してくれる。その後絶命。
・このドワーフの男が属しているドワーフ族は、トロール族の脅威にさらされている。
・戦うためには、ダークウッドの森にあるハンマーが必要で、それを探しに行く途中、トロールの襲撃にあい、自分以外の仲間は死んでしまった。
・代わりにハンマーを見つけ、ストーンブリッジの領主ジリブランに渡してくれ。
・この金貨を持ってまずは魔術師であるヤズトロモのところに行け。
かなり雑に書きましたけれど、こんな始まりでした。




