FFシリーズ ~バルサスの要塞~ その1
ゲームブック第二弾として発売されたのが『バルサスの要塞』です。
奥付を見ますと、1985(昭和60年)年4月25日に第1刷(初版)発行。手元にあるのは第23冊で同年10月10日になっていますから、すごい勢いで増刷が繰り返されていたことがわかります。
著者はスティーブ・ジャクソン氏で、いわゆるソロ作品です。
実際、イアン・リビングストン氏との共作は『火吹き山の魔法使い』のみで、この第二巻以降はそれぞれが単独で作品を手掛けていました。リビングストン氏は一貫してタイタンの世界を舞台にしていましたが、ジャクソン氏は実はバラエティに富んでいて、タイタンを舞台にしたFF作品は、この『バルサスの要塞』とずっと先になる『モンスター誕生』だけ(ソーサリーやファイティング・ファンタジーRPGは他社なので除く)だったと思います。
ただし小説『トロール牙峠戦争』を執筆されています。これは30年以上前(1990年代初頭で、私が中学三年から高校二年生くらいのどこか)の『ウォーロック』で、日本語版の発売が予告されました。
結局そのまま出版されることはなかったのですが、2021年3月に不意打ちに発売。まさかの出来事に、私も驚きました。
因みに『サソリ沼の迷路』は同姓同名のアメリカ人のスティーブ・ジャクソン氏(紛らわしい!)なので、カウントしていません。
こうしたこともあって、タイタンの世界はリビングストン氏が手動で動いていたのではと思われます。
さて前置きが長くなりましたが、あまりネタバレにならない程度に話を進めます。
いきなり表紙の話からです。表紙を飾る赤い目をして、牙をむき出して笑っている黒い毛むくじゃらの人物は・・・誰!?(笑) いや、前回の『火吹き山の魔法使い』に引き続いての、表紙の人物ツッコミなのですが、ホント、誰?(笑)
このキャラ、バルサス・ダイア(これがフルネームです)かと、当時小学生だった私は思ったわけですよ。けど違いました。バルサスの挿絵も後に登場するのですが、明らかに別人です。実際の容姿は滅茶苦茶いかつくて強そうです。
この毛むくじゃらを先頭にして、後ろには部下と思しき行列が続いているのですが、2番目に並んでいるやつ、絶対に宇宙人だろう?(笑) しかも毛むくじゃらとの距離が空いているっぽいから、
意図的に避けているのか?(笑)
その次が多分ミノタウロスっぽいのはわかるけど、後はわかりません。長い柄の武器が色々と見えますが、もや~っとして判別不能です。
行列が出てくるところこそ、要塞そのものなんですけど・・・。何か、しょぼくないか? どちらかと言えば、メルヘンチックにも見えるお城に感じました。
気になるかたは検索してもらえれば、多分古本とかで表紙くらいはわかると思います。
表紙を描くイラストレータさんと、挿絵のイラストレータさんが違うことで、こんな違和感が発生するのですが、日本ではありえないことですよね。
時折イラストレータさんが変わったりするだけで非難の声が上がったり、第一巻から全て装飾を作りなおしたり(そうすると前のイラストレータさんが否定されているようで可哀想ですが、契約の問題があるのでしょう)。




