FFシリーズ ~ 火吹き山の魔法使い~ その4
冒頭にプロローグ的な話が、『噂』のタイトルで挟まっています。読んでみますと、冒険前の『君』の様子や、世話になった村で聞いた話などがつらつらと書かれていました。
村人によると、火吹き山を目指した冒険者で、戻ってきたものはごく僅か。やはり恐ろしい場所であることが記されています。
その割には・・・宝箱の仕様とか、鍵のありかとか、魔法使いの弱点とか。他にもダンジョン内の重要なポイントとか・・・(どれもほぼ真実だった)。
戻ってきたものがごく僅かな割には、詳しすぎるなっ!?(笑) それとも裏切者からの情報漏洩かっ!?(笑) コンプライアンス、ダメダメだなっ!(笑)
子供の頃は何の疑問も抱きませんでしたが、ツッコミどころがありすぎでした。
そんなこんなで略奪目的の冒険に出発!
舞台がダンジョン、目的が悪い魔法使いの宝物を手に入れることなんて、これ以上ないわかりやすさですね。
特にFFシリーズの第一弾として発売された作品で、読者の心をつかみたいところですから、難解であってはならないのです。
単純明快こそが求められた作品だろうと思います。
初期のTRPGにおいて、規模の大小はあるもののダンジョン・アドベンチャーは基本でしたし、冒険ファンタジー小説でも定番でした。
物語性には欠けることが多いですが、探索するワクワク感があり、それだけで心がくすぐられました。やはり人は探求心の塊なのでしょう。
だからあの有名なTRPGが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と名付けられたのだろうと思います。
そのTRPGのダンジョン・アドベンチャーを手軽に一人で楽しみたい。
そこから生まれたのがゲームブックであり、この『火吹き山の魔法使い』であるのです。
まさに理想を詰め込んだ一冊と言える作品でした。




