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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第3章 TRPGグループ活動の時代

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TRPGグループ活動の時代 #12 【作成はアナログ作業から】

 さて、ようやく次の一歩を踏み出したリプレイ本制作プロジェクト。その時の自分はとても気分が高揚していたと思います。今度こそ自分たちのリプレイ本を完成させるのだと、強く意気込んでいました。若さって、こういうときにエネルギーがみなぎってきますね。

 その時、どこで印刷してどう製本すれば良いのかとか、そんなことは全く考えていませんでした。今に思えば、最も重要な問題だったとは思いますけど。


 何よりもまずは原本の作成です。

 その下書きとして、一旦全部を聞きなおして、それをノートに手書きしていきました。その頃はそんなアナログ的な方法しか無かったのです。

 テープを僅かに再生しては、それをノートに書き落とす作業は、かなり地道で地味な作業でした。例え片面30分のテープであっても、30分で終わるわけではありません。

 しかも同時に喋ることもあったので、身長に誰が何をしゃべっているのか、そこだけを何度も再生して聞き取ることもしばしばありました。それでもわからないときは、やむなくスルーしていました。

 

 このテープ起こしはかなりの根気が必要になる作業です。当時は戦闘中の会話まで全部起こしましたが、後に別のリプレイを作る際には、ダイジェストに文章化するように変えました。戦闘だけで何十分も続くことが多かったからです。


 でも、どうしても完成させたかったので、この時はとても頑張りました。

 既に高校も期末試験を終え、春休みが近づいていましたので、時間はだいぶ余っていたと思います。恐らく午前授業になっていて、帰宅したらこれに取り掛かっていたのではないでしょうか。

 

 細かい制作時間は覚えていませんが、数日で4話分をノートに書き記し、毎日夜遅くまでPCに打ち込んでいきました。確か録音から原本の印刷完了まで、一週間程度で終えたように思います。

 超速の作業でしたけれど、それだけ情熱と時間がたくさんあったのでしょうね。

 録音したテープって、当然のことながら自分の声が入っているんですよね。人間って、自分の声がどんななのか、何らかの手段で聞かない限りは認識できないんじゃなかったかなと思います。

 それまで滅多なことで自分の声を聴く機会はなかったのですが、この時は嫌というほど聞かされて、一人で恥ずかしくなった覚えがあります。

 慣れてしまえばそんなことはないのですけれどね。

 

 ただこうしたことで、何年か聞き続けたことで、今では普通にしゃべっていても自分の声がどんなふうなのか認識出来ます。あの頃に比べれば、声質も年を取ってしまったはずですけれど、似た感じなんじゃないかなと思います。

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