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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第3章 TRPGグループ活動の時代

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TRPGグループ活動の時代 #10 【当時のワープロソフトを使い始めたこと】

 年が明けて1991年(平成三年)。自分にも少し変化が現れました。

 当時自宅にはPC-9801UXという3.5インチ2HD(フロッピーディスクの仕様のことです)搭載のパソコンがあったのですが、ワープロソフトとプリンターを使って、入力の練習を始めました。

 理由はやはり、自分たちのリプレイ本を作ってみたいということ。録音するもののとん挫ばかりだったので、それならば今度行われることになったら、自分が形にしてやろうと強く決意をしたわけです。


 この頃はまだパソコンに触れることが、イコール悪い意味でのオタクでした。『気持ち悪い』、『暗い』『怪しい』といったイメージだったのです。

 若い人たちにはこの感覚はわからないと思いますが、世間では差別的な偏見がありました。


 我が家にあったのは、技術科の教員だった父親が、先を見越して購入したからです。実際に十年も経たないうちに、パソコンを使用しての業務へと世の中はシフトしたわけですが、今に思えば先見の明だったのかも知れません。


 自宅にあったワープロソフトとプリンターは、父親が仕事をするために手に入れたもの。現在のような綺麗な文字ではなく、モニター上で見ても荒いものでした。

 それをドットプリンター(インクリボンというカートリッジを装着し、ドットが目立つ文字印字する。やたら音がうるさい)でプリントしていきました。


 結局その後、たびたび発生することになるリプレイ制作は、自分が一手に引き受けることになるのですが、結果的にそれがキーボード操作の基本になりました。

 現在の仕事でも、かなり専門的にパソコンを使っているのですが、恐らく十代の頃のこうした切っ掛けが、根本にあるのだろうと思います。

 

 次に大きな動きを見せたのは、高校1年生も終わりに近づいた3月の中頃。新たなシナリオを始める話が持ち上がりました。

 その頃はまだコミケで扱うような同人誌の存在は知りませんでしたが、サークル活動の募集要項を読むと、仲間内だけの機関紙を作成したり、自作のリプレイ本を作る活動なども書かれていました。それが羨ましいなと感じていたのです。


 既に執筆を始めていて、その頃は将来は文章を書く仕事に就きたいとさえ思っていましたから、余計に書き残したい気持ちが強かったのだろうと思います。


 けれど自分以外のメンバーは、作成したいと思うものの、自分ではどうにも出来なかったんだろうと思います。思い返してみても、多分無理だっただろうと。

 こうして長年、執筆を続けていますけれど、やっぱり書くことが楽しいと思ったり、強い興味を持っていないと、例えリプレイと言えども作成は難しいものと思います。

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