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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第2章 TRPG流浪の時代

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TRPG流浪の時代 #16 【TRPG開幕前夜!】

 前回までのお話で、ようやく念願のソードワールドRPGルールブックを手に入れました。税込み(3%)で640円。434ページ(最後の広告部分を含まず)にも及ぶ大作でした。

 現在の物価で、これだけの厚みがあると、税込み(10%)1,000円前後のお値段になるのではと思います。

 

 手に入れたのが夏休み直前だったので、本来ならばここから盛り上がりそうなところだったのですが、私や友人たちは高校受験に向けて慌ただしくなり、話題になることもありませんでした。

 その時代は当事者である子どもたちも、その保護者達も、また学校の先生たちや塾の先生たちも、一種異様な緊張感をもっていました(学校もまだ軍隊式の名残がありました)から、『遊び』どころではなかったのです。『遊び』は悪いことというような風潮がありました。嫌な時代ですね。

 今の時代も高校・大学受験は大変だと思いますけれど、少なくともあの時代の異常な空気は体験することがありませんから、その点では羨ましいと思います。


 それでもせっかく手に入れたのですから、私もルールブックに目を通してみました。

 けど最初の印象は、何だか難しそうだなと思ったのを覚えています。それまでゲームブックのシンプルなルールになれていましたから、細かいことに抵抗感があったのでしょう。


 その年(1989年・平成元年)の秋ごろには、『ロードス島戦記RPG』が発売され、それはリアルタイムに購入することが出来ましたが、結局どちらもしばらく書棚で眠ることとなりました。

 

 本格的に動き出すのは受験も全て終わった翌年の2月下旬頃。

 ここに来てようやく自分にとって、TRPG開戦前夜となったわけです。


 さてここから先の話は、次の章から始めたいと思います。ちょっと中途半端になってすみません。

 その分、今回はあとがきの方が長くなります。そちらの方で、色々と余談などを話したいと思います。

 今回は最初のルールブックを、少しだけ見直そうかと思います。

 当時、最も困ったのがキャラクターシート。文庫本の表紙を開くと、その裏にとても小さなサイズで折りたたまれていました。一緒に綴じられているので、はがすことは出来ません。

 だからと言ってこれに書き込むわけにもいかないので、これは困りました。当時、こんなことは他でもありました。

 無理やり表紙を折り曲げてコピーするか、切り離すか・・・。いずれにせよ、本を傷めることになるので、私としては嫌でした。

 後に誰かが拡大コピーしたので、それを貰って、時々10円コピーしていました。誰かが尊い犠牲を払ってくれたのでしょう。

 

 ルールの細かい部分はすっかり忘れてしまいました。最後にプレイしたのが25年前(1997年3月頃)でしたのでね。あれから封印に近い状態が続いています。

 

 種族は人間の他、エルフ、ドワーフ、ハーフエルフ、グラスランナー。今のゲームだったらもっと多種多様ですし、魔族キャラも使えるのかも知れません。

 でも当時はこの辺りが一般的で、正義側みたいなものです。それ以外は中立か混沌(悪者)側でした。

 今の時代は魔族と人間が仲良くしている物語は珍しくありませんけれど、当時としてはどれを見ても敵対していました。やっぱり冒険にはヒール役が必要でしたけれど、損な役回りだったのだろうと思います。


 TRPGの醍醐味である戦闘や魔法について、それぞれフローチャートで記載され、とてもわかりやすくなっていました。

 これ、きっと、このルールブックを作成した人たちが、ゲームのプログラムなどにも長けていたからじゃないかなと思います。恐らくBASIC言語やマシン語などのフローチャートからの発想だろうと。

 フローチャートは今でも様々な場面で使われるものですけれど、当時それを導入したのは珍しいものと思います。

 

 魔法の種類やモンスターの種類も多すぎず、少なすぎず。ちょうど良い物量に収められていました。

 因みにこの時代、敵側は何でもかんでも『モンスター』。怪物扱いですよ(笑)。人型であっても、全てモンスターですから、一種の差別ですね。

 今だったら『魔族』と『魔獣』みたいなわけかたです。この三十数年の間に、人権が確立されたのだろうと思います。


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