TRPG流浪の時代 #15 【突然の連絡】
そんな矢先、突然書店から電話がかかってきました。注文をかけてから三か月くらい後だったと思います。そうなると7月頃(または6月下旬ぐらいか?)になるはずです。
もはや諦めていましたし、こっちも自然消滅的になって、クレームすらしませんでした。
何故その頃になって突然電話がかかってきたのかもわかりません。それまで注文を忘れていたのか、本当に増刷されるのを待ち続けていたのか・・・。
ともかくようやく手に入れることが出来ました。今の時代だったら、SNSに書かれてしまうような事案です。
購入から30年以上が経ち、この話を書く際に久々にルールブックを開いて、奥付を確認してみたのですけれど、第5版となっていました。つまり初版の後は4回も増刷されていたわけです。
にも関わらず、ここまで時間がかかったのは、やはり忘れられていたのでしょうね。
因みに私が購入した第5版の発行日は、『平成元年8月30日』付け。初版発行日は『平成元年4月10日』付けでした。
これだけ見ると、私が購入した7月頃からずれがありますよね? 矛盾しているとお思いでしょうけれど、間違っていません。
実はその頃は、本や雑誌に記載されている発行日と、実際に店頭に並んだ日付とは、かなりのズレがあったのです。だいたい一ヶ月から一ヵ月半ほど前倒しで店頭に並んでいました。
現在の本を見てみますと、発行日と発売日がほぼあっているようですが、どうして当時はこんなにも違いが生じていたのか、全くわかりません。
ですので時として雑誌に記載されている何かの締め切りが、発行日よりも前になっているというおかしな現象もありました。
そこから推測するに、当時のソードワールドRPGは、2月の下旬から3月の初めの間に店頭に並んだのではないでしょうか? だいたい当時の富士見書房は、二十日から下旬に本などを発売していたように思えるのです。記憶が定かではないので、「そんな気がする」というレベルの話ですが。
そして私が友人から見せて貰ったのが4月でしたから、友人は第2版か第3版あたりを手に入れていたのかも知れません(または初版を手に入れて、その頃になってやっと見せに来たのか)。
私が手に入れたのが第5版ですから、少し開きがありますね。どう考えても4月に第4版が出て、それからしばらく増刷されないというのは、おかしな感じがします。人気があるわけですし、紙不足などという社会現象はありませんでした。
今更真相解明は出来ませんけれど、やっぱり私の注文は忘れられていたんじゃないかなって思います。連絡があった際も、何事も無かったように、しれっと注文の品が届いたことを告げられたはずです(お詫びの言葉は無かったと思う)。
この頃はやっぱりいい加減なことの多い時代だったなって、改めて思いました。
(つづく)
その頃、我が家にあった電話は黒電話と呼ばれるもの。リンリンとやたらうるさく鳴って、二階で昼寝をしていても、一発で目が覚めるくらいの音量でした(ボリュームの調整は出来ない)。
今の若い人たちは実物を見たり、触れる機会は滅多にないと思います。昭和レトロを集めたところとか行けば、必ずあるんじゃないかと思います。
この黒電話はダイヤル式。人差し指を引っ掛けて、ダイヤルを回します。回すと言っても一回転するわけではなく、性格には円弧を描く様な感じです。
かけたい電話番号の通りに、ダイヤルを順番に回すと、ちゃんとつながるのですから不思議なものですね。
もし、どこかで『ダイヤルを回す』という表現が出てきたら、これのことです。英語だと、『around the dial』だったと思います。古い洋楽の中に、そのフレーズが出てきたので覚えているのです。
どちらも今では使うことの殆どない表現でしょうね。
因みにテレビの『チャンネルを回す』も似たようなもの。昔はガチャガチャ(本当にそんな音がする)とつまみを回して、テレビ局を変えていました(受信状況が悪い時の『ゴースト』なんて知らない子が多いだろうな)。
全く意識していませんが、多分私は今でも『チャンネルを回す』という表現が出ているんじゃないかなと思います。




