~トンネルズ&トロールズ ルールブック~ その8
その他として、何を紹介しましょうかね。別に戦闘の仕方とか、そういうのは良いでしょう。
パラパラパラと、三十何年かぶりにちゃんとルールブックを開いていくと、モンスターを擬人化する表がありました。
見れば、ドラゴンもあれば、ゴブリンもあります。だいたいこの時代のTRPGやゲームブックに登場したポピュラーなモンスター(当時の表記を使います)が網羅されていました。
サイコロ3つ振って、決められた整数や分数をかけて数値を決定します。この辺りは変わりません。
また『T&T』には『モンスター! モンスター!』というモンスターのキャラを作る資料集がありました。何年か後に社会思想社から発売されましたが、それは別の機会ということにしておきます。
言語についても書かれていました。人間、エルフ、ドワーフは当たり前ですけれど、中には絶対に出てこないだろうという謎の言語も随分と含まれていました。
その中には動物語もたくさん設定されていました、ワンちゃん、ネコちゃんから、牛さん、ねずみさん、くじらさんなど。
いや、ワンちゃんとネコちゃんなら、現実世界でも使っている人がいるかも知れませんね。
この頃のTRPGは言語設定がされていましたけれど、今の異世界ファンタジーは、全て共通語ですよね。ヒューマノイドであろうと、魔物であろうと、同じ言葉で話しています。
まあ、物語を進める上でここまで設定を細かくしてしまうと、今度は操る側が大変になってしまいますから、いつの間にか自然消滅してしまったのかも知れません。
他には銃器の設定や、各武器の紹介などもありました。銃器、異世界ファンタジーにはちょっと合いませんね。
このルールブックだけだと、サンプル的なシナリオが少し掲載されているだけで、ソロとして遊ぶことは出来ません。ルールブックが発売した頃の『ウォーロック』には、ちょっとしたソロ・アドベンチャーが掲載されており、それで遊んだ記憶があります。手放してしまったのが残念です。
それから一か月遅れで、最初のソロ・アドベンチャーである『傭兵剣士』が発売。更に四か月後に『カザンの闘技場』が発売となりました。
取り敢えず二つのソロ・アドベンチャーが発売されたことで、ようやく最低限遊ぶことが出来るようになりましたけれど、今に思えば出遅れ感は否めなかったなと。
両方とも1988年の発売になりますけれど、その年には『ロードス島戦記』が話題になり始めていましたし、翌年には『ソード・ワールドRPG』が発売(1988年秋にはアナウンスされていたことが、『ウォーロック』を読み返していてわかった)しました。
どちらかと言えば、当時の『T&T』はゲームブックの延長線上にあるものだったと思います。ゲームブックは既に下火に向かってまっしぐらでしたし、ソロ・アドベンチャーはゲームブックと言われても否定できません(私は好きだったけど)。
もしゲームブックが全盛だった時代に発売されていたら、また違った運命をたどったのかも知れませんが、その頃はゲームブックの翻訳と出版でてんてこまいだったと思います。
取り敢えず、当時のルールブックについて長々と語ってまいりました。
間に挟む形でイレギュラーな掲載になってしまいましたが、いずれは『T&T』のソロ・アドベンチャーなども取り上げたいです。
ですがしばらくは最近興味を持つようになったAFF2eや、まだ取り上げていない思い出深い『ソーサリー・シリーズ』など、その辺りの話をしていければと思います。




