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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第2章 TRPG流浪の時代

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TRPG流浪の時代 #13 【ついに、ソードワールドRPGが登場!】

 中学三年生に進級してすぐのこと。ついにあのTRPGが動き出しました。そうです。『ソードワールドRPG』です。1989年(平成元年)のことでした。

 現在(2022年)までに何度かバージョンアップが施され、今も人気が高い国産TRPGとして、不動の地位を築いているものと思われます。

 ですがここでの話は、正真正銘オリジナル版のこと。

 現在このオリジナル版は絶版でしょうけれど、古書店などで手に入るようであれば是非手に入れてもらいたいです。何しろそれまではマニア向けであったTRPGの敷居を下げ、一般的な娯楽にしてくれたものですから。TRPGの歴史を動かしたと言っても、過言ではないと思います。


 その頃はまだ、富士見書房の『ドラゴンマガジン』(現在も続いているみたいですね)を読んでいなかったため、その情報を耳にしたのは当時の友人の誰かからでした。後にグループ活動を一緒に行う誰かであったはずですが、細かくは覚えていません。

 多分、そのルールブックを学校に持ってきて(もちろんコッソリ)、見せてもらったのが最初だと思います。『こんなのが出たよ』という感じに、興味を持ちそうな人たちに見せてまわっていたのでしょうね。

 見せてもらったとき、直感的にこれは絶対に面白いと感じました。それまでかじっていたD&DやT&T、ゲームブックとは全く違う新しいオーラが出ていたのです。D&Dを手に入れたときよりもずっと大きなオーラでした。


 これはぜひ自分も手に入れたい! その時、どこぞの本屋にまだ残っていたと聞いたので、その日のうちに頑張って訪れたはずでしたが、影も形も見当たりませんでした。

 恐らくその後は何軒か、まだたくさん残っていた近隣の書店を全てハシゴしたはずですが、どこにも在庫がありませんでした。


 当時はまだ神保町に通っていませんでしたし、頻繁に訪れていた渋谷の大盛堂書店にもありませんでした。

 結局、どこを探し歩いても見つからなかったので、やむなく駅前の少し大きな書店で注文をすることとなりました。

 若い人たちは知らないと思いますけれど、渋谷にある『大盛堂書店』は、その頃はとても大きな書店だったのです。『本のデパート』が売り文句でしたけれど、その言葉に偽りはありませんでした。


  現在はセンター街の入口付近に慎ましく存在していますが(古い写真を見ると、どうやらあの辺が本来の創業地じゃないかと)、当時はマルイのすぐ隣(渋谷駅側)に細長の古いビルがあって、それがほぼ丸ごと書店になっていました。

 エスカレータが古臭く、正に昭和っていう動きとデザインなんですよね。見たことある人にしか、そのイメージはわかないと思いますけれど。

 でも、それがまた良かったのです。


 ここはTRPG関連の本(資料に近い専門書もあった)や富士見ファンタジア文庫などが多数揃っていましたので、高校生から大学生の間はよく覗きに行きました。集めた資料は殆ど読むことなく、今も本棚に並んでいます。勢いだけで買っちゃったものですけれど、いつかそれも取り上げられたらと思います。


 社会人になってからも、自宅と仕事先の途中にあったので、週末などは途中下車して寄り道するのが数少ない楽しみでした。

 

 印象に残る思い出は殆どないのですけれど、昭和60年頃の夏休み、母親に連れられてここに来た時に、水木しげるさんのフェアが開催されていました。その頃では珍しく『サイン本』も置いていたのです。

 当時から好きでしたし、多分母親が促してくれたのでしょうけれど、そこでサイン本を手に入れました。今も書棚に並んでいますが、結局、直筆サインを手に入れる唯一のチャンスがその時だったのだと、亡くなった後に感じました。

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― 新着の感想 ―
6面ダイスを2個用意するだけでいいのが革新的だと知ったのは随分後の事だった このソードワールドが一番最初に知ったTRPGです ついでに言うならば、ロードス島戦記(OVA)→ソードワールドSFC2ラジ…
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