~魔術師タンタロンの12の難題~ その15
そしていよいよ、最後の難題です。ラスボスはなんと、メデューサ! 異世界冒険ファンタジーでは、常連の魔物です。
けれど時々疑問に思うのです。これって三姉妹だったはずなのに、メデューサだけが残って、他の二人は登場することはありません。
私も名前すら憶えていなかったので調べてみたら、他は長女ステンノー、次女エウリュアレーで、三女がメデューサでした。
子供の頃はゴルゴンという呼び方も浸透していましたが、これは三姉妹のことを示すようでした。
でも現在一般的に知られているのは三女のメデューサのみ。いつの時代も、妹ポジションは最強なのです。
さて今回、ガランタリアに登場するメデューサ。魔女の牙連峰のへり、シャタックの東に潜んでいるとのことでした。何だか『雪の魔女の洞窟』に登場したシャリーラみたいですね。
けど前々回のフォリンの町で、人々から銀の鏡を贈られていたことが記されていました。どうみたって、これ、絶対に使いますよね?
そのメデューサに捕われたデューク卿を助け出すのが最後のミッション。捕われた経緯は、『乞食女(当時の表記を使います)に扮したずる賢いメデューサのために部下たちの目の前で石と化した」とのこと。騙されちゃったわけですね。
しかもメデューサは石化した犠牲者に恋をしてしまうことで有名でした。結構ロマンチスト!? フィギュアを愛でるような乙女心が、彼女にはあったわけです。ただし、それがいびつだから問題なのですけど。
しかもこの魔力を解く薬をどうやら彼女は常備しているらしいこともわかります。石化を解いても、自分が見ちゃったら、また石化するんじゃないの? それとも自分が目隠し?
メデューサの隠れ家を見つけ出し、持っていた銀の鏡を使って相手を石化。この辺りはいつものパターンですね。
倒したあと、石化を解く薬を探すのですが、暗闇の中で『君』はうっかりつまずき、薬の入ったガラス瓶が床に落下して次々と割ってしまいました。何やってんだっ!? この冒険、最大の失態ではないかっ!?
辛うじて一本だけ守り抜いたものの、これじゃ失敗出来ません。
捕われた者たちが安置されている部屋に行ってみると、そこには台座の上に立たされた七人の男たちの石像がありました。台座には数字が彫られていました。
ここで最後の難題。この中から一人、デューク卿を探し出さなければいけません。『どの石像を選ぶか。その番号を示せ』です。
他の六人は気の毒ですが、石像のまま。一生このままなのか、後日改めて救援隊がやってくるのか、それすらもわかりません。
というか、メデューサを倒したんだから、魔力も切れて元に戻るんじゃないの? それとも石化したメデューサを粉々に打ち砕いて、完全に息の根を止める必要があるのかな?
いずれにせよ、薬、関係なしに解く方法がある気がします。
デューク卿のヒントは、よく読んでいくと、本書の中に出てきますね。あごひげを蓄えていることと、双子ちゃんであること。双子だって情報、クリスドンの町にある『豚と盃』亭で出会ったチョウンシーという人物が、この情報を持っていました。
そういうことかっ! この謎の人物の役割はっ! モブっぽく現れて、実はとても重要なキャラクターだったわけです。
この二つのヒントを元に特定すれば、最後の難題はクリアです。
なお解答がわかると、間接的にこのデューク卿のモデルが誰であるのかも推測できます。