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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第2章 TRPG流浪の時代

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TRPG流浪の時代 #12 【初めてTRPGをプレイしたこと】

 中学二年生の夏休み前、多分期末テストが全部終わったあとだったと思いますが、何人かが集まってD&Dを初開催することになりました。

 場所は何故か我が家で、どんな経緯でその面子が集まったのかは覚えていません。そのうちの何人かについて、学校の授業などで話すことはありましたが、特別友だちでもありませんでした。

 

 推測するに・・・、同じくボックスセットを持っていた当時の友人が声をかけて集めたのではないかと・・・。

 ただその中には数年後、一緒にグループを組むメンバーが一人ないしは二人含まれていたような気がします(30年以上も昔の話なので、既に記憶があいまいなのです)。

 恐らくシナリオは市販されていたものを使ったはずです。まだ自作するような発想は、誰も持っていませんでした。

 またゲームの内容も、それが面白かったかどうかも全く覚えていません。単にプレイしたという記憶が、かすかに残っているだけでした。

 それでも自分の中では、ようやくプレイすることが出来た初めてのTRPGとして、記憶の片隅に残っています。


 このあとの記憶がしばらく途切れています。

 恐らく前に書いたT&Tのソロ・アドベンチャーを一人で繰り返したり、ウォーロックを読んでいたりと、そんな程度だったのではと思います。ゲームブックもまだ多少プレイしていたことでしょう。


 少し先の話になりますが、中学二年生の終わりには『ロードス島戦記2 炎の魔神』が出ましたので、そうしたものを読んで友達と話していたと思います。

 でもこのロードス島戦記に興味を持った友人たちと、後にグループを組むことになりましたから、この作品が架け橋になってくれたことは否めません。もしかしたら、この作品が存在しなければ、私たちも中学校卒業後にそのままバラバラになって、縁がなくなっていただろうと思います。


 この付き合いは社会人になってからもしばらく続きましたけれど、やはりお互いの時間が作れなくなって、自然と疎遠になりました。だいたい三十歳くらいが限界だったと思います。


 現在でも縁が残っているのは実質一人です。時々連絡を取り合ったり、コロナ前は定期的に二人だけで飲みに行っていました。ただあまりその時代の話をすることもなく、もっぱら近況報告に留まっています。

 他の人たちはどうなったでしょうかね。みんな五十歳が近くなり、健康を損なっていないか、それだけが気がかりです。 


 さて私が中学二年生だった1988年、昭和63年は昭和天皇のご病気もあって、次第に日本中が自粛ムードに変わっていきました。

 近年のコロナ禍における中途半端な自粛ではありません。老若男女、ガチの自粛でしたし、日本中が納得しての自粛でした。

 それくらい昭和天皇の権威は、当時は大きなものだったのです。


 そして年が明けての1月7日に昭和が終わり、翌日から平成元年と変わりました。西暦1989年。新しい時代と共に、日本にはついに国産TRPGが発売することとなりました。

 その名は『ソードワールドRPG』。この登場は衝撃を持って迎えられ、多くのTRPGファンの冒険心をかきたててくれました。

 この時代の『ロードス島戦記』は、既にスニーカー文庫から発売されていましたけれど、まだライトノベルのジャンルは存在せず、どちらかと言えば文芸作品の中のファンタジーというジャンルに位置づけられていたと感じています。

 時折、文芸雑誌の『野生時代』に掲載されていた覚えがあります。

 こうした小説は新興ジャンルでしたので、まだ立ち位置が曖昧だったのでしょう。


 ロードス島戦記は、一応最終巻まで読みました。

 しばらくブランクがあった後、三十歳の頃、不意にまたこうした小説を読みたくなり、『ロードス島伝説』や『新ロードス島戦記』を読みました。

 

 現在(2022年)も新しいシリーズが存在していますが、それは読んでいません。恐らくこれからも読むことはないでしょう。

 それは別にこの作品が嫌いになったわけではなく、今の自分の興味が全く違う方向にあるからです。どちらかと言えば、小説よりもコミックの方が今は好きなのです。

 今も異世界ファンタジーは好きですけれど、戦記ものやバトル物ではなく、ゆるくて気楽に読めるような作品を好んでいます。

 歳を重ねるにつれて静かで穏やかな日々を望むようになりましたが、そうした傾向は自分の趣味にも現れるようになりました。

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