~魔術師タンタロンの12の難題~ その5
『君』が一つ目の難題を無難にクリア・・・したかどうかは実はこの時点ではわからないのですが、続いて二つ目の難題に突入します。
タイトルは『フィックリングの海をおびやかす悪魔魚の息の根を止めよ』です。物語の背景を読み直すと、『ネザー国の妖術師の呪いをかけられた悪魔魚が放たれ、船を引き裂き、人々を飲み込むなどの狼藉を働いていた』とあります。
このフィックリングという町は、エーデ河口の要塞都市とのこと。高台から海を見下ろすようにして、城がそびえたっていました。どうやらここが都市になっているようです。
すぐ下の海浜には小さな村があって、まずはそこに到着。その夜、村の宿で地元の漁師たちから情報収集するも、いい笑いものにされてしまいました。笑いたければ笑えばいいさ! ありがちな展開ですね。
老人だけが心配して、やめるように促してくれました。ただし、『愚かなこと』と結構辛辣でしたけど。
その日の夜、頭を巡らせてたどり着いた答えは・・・魚釣りっ! 四の五の言っていないで、ここは釣りキチになりましょう。
そして釣り上げたら魚拓を取って記念撮影をして、リリースは・・・出来ないけど、刺身にするなり、煮つけにするなり、焼き魚にするなり、魚料理のフルコースで祝杯をあげましょう。
などと、既に取らぬ狸の皮算用的な発想が生まれてしまいました。
悪魔魚は海原のどこに棲み、何を食べて生きているのか。翌朝『君』は悪魔魚の食生活を調べることに時間を費やしたことが書かれていますが、これだけの悪魔魚って、多分偏食じゃないんじゃないの? 鯨みたいに大きな口を開いて、ガバッとその辺の魚介類を飲み込む感じに思えます。
けどそれだったらゲームになりません。
『君』は悪魔魚を釣り上げるため、餌を買い求めることになりました。小魚は銅貨3枚、地虫類は銅貨2枚、羽虫が銅貨6枚、甲殻類が銅貨7枚で売られています。
ここで二問目の難題です。『注意深く君の餌を探すこと。銅貨は何枚必要か?』。
『注意深く』という言葉に正に注意が必要です。右側の鮮やかなイラストレーションを見ますと、真ん中に船を襲う巨大な悪魔魚が描かれ、それを取り巻くように様々な魚介類の絵が描かれています。ですがちょっと不思議な描き方で、よく見れば、どれも何かが何かを食べている構図ですね。食べられた何かは別のポジションで別の何かを食べている。そんなことの繰り返しでした。
つまり・・・、食物連鎖っ! けどこのイラストって、どう見ていけばいいんだ?
巨大な悪魔魚は、結構大きな金目鯛みたいな魚に食らいついています。その金目鯛みたいな魚は、側面に赤いあざみたいなのがある魚に食らいついています。こうした流れで逆にたどっていった先、何にたどり着くか。
そういうことのようですね。つまり四択の中から一つだけ答えを選び出す必要があります。
当時、小学生だった私はクラスメートの人たちや先生も交えてこれを見ましたけれど、そこで多分先生が食物連鎖に気づいたんじゃないかなと記憶しています。
その発想で改めて辿っていくと、意外とあっさり最後にたどり着きました。え? こんなにあっさりでいいの??
因みにネットで拡散していたこの本の解答を持っているのですが、それで良かったみたいです。
あの頃、みんなで悩みに悩んでいましたけれど、それはたくさん描かれている魚介類に惑わされていただけのこと。情報の整理が出来ていなかったようです。