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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第5章 もっと広い冒険舞台へ!

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~魔術師タンタロンの12の難題~ その1

 ゲームブックのブームがまだ少なからず残る昭和末期、一冊の不思議な本が日本で発売となりました。ゲームブックでもなく、画集でもない。けれどまぎれもなく難解な大冒険の書でした。

 日本語版のタイトルは『魔術師タンタロンの12の難題』(以下、『本書』と書かれているものはこれを示す)。現題は『THE TASK OF TANTALON』で、直訳すると『タンタロンの(骨の折れる)課題』です。それだとタイトル的に弱いですから、『12の難題』となったのでしょう。


 奥付を見ると、1987年2月28日の発行となっていましたから、年号は昭和62年になります。恐らくこの日付よりも少し前倒しで発売されたのだろうと思います。

 出版社はFFシリーズと同じく社会思想社。お値段は消費税導入前で1,500円。この時代はコミックスがどれも360円で、一般的な厚さの文庫本が480円の時代でしたから、意外と高い本になっていたと思われます。今であれば、2,500円から3,000円程度になるのではないでしょうか。

 著者はもちろんスティーブ・ジャクソン氏で、作画はステファン・レーヴィス氏。当時の日本語訳は柿沼瑛子氏でした。


 この作品を知ったのは、発行が始まったばかりの『ウォーロック』での広告なのか、それとも何らかのFFシリーズに広告が掲載されていたのか、そのどちらかであろうと思います。古すぎることなので、全く覚えていません。

 その頃の私は小学六年生で、卒業間際の三学期にあたる時期でした。どうやって手に入れたのかは全く覚えていませんが、恐らく駅前の書店で注文をかけて、取り寄せたものと思います。

 今のようにネット通販などありませんから、こうしたマイナーな本を手に入れるのには、大変苦労しました。

 これは本に限らず、レコードやCDを取り寄せる際も、同様のことがありました。売れにくいものというのは、余計な在庫になりうるだけなので、問屋さん(当時はよくこの名称が使われたので、これを使います)も扱いたくなかったのかも知れません。

 昭和末期というのは、まだまだ物品の流通が未発達な時代だったと思います。


 さてこの『魔術師タンタロンの12の難題』をわけもわからず購入しましたが、それは単純にジャクソン氏の作品だったからです。そうじゃ無かったら買いません。

 当時の1,500円は小学生にとっては高額でしたので、多分お年玉でも使ったのだろうと思います。

 そもそもゲームブックだと大抵500円あれば一冊買ってもお釣りが来る時代でしたし、ラーメンやランチだって500円あれば十分でした。

 つまりゲームブック三冊分! いかに高額だったかと伺い知ることが出来ると思います。現在なら3,000円近くのお値段になるんじゃないかな?


 これはいわゆるビジュアルブックの類です。絵本やイラスト集とはまた違うものでした。

 ゲームブックのようにパラグラフは無いので、全体としてストーリーは一方通行でしたが、それでも読み手を飽きさせない冒険要素はちゃんと盛り込まれていました。


 買ったばかりのこの本を持って小学校に行き、まだゲームブックの余熱が残っているクラスメートたちと開いて、色々考えたりしましたが、小学生の知能では全く及ばぬものでした。

 今、チャレンジしたらどうでしょうかね・・・。老眼になっているので、どうしても先に進めない部分は出てきますけれど。

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― 新着の感想 ―
タンタロンの12の試練、ついに来ましたか。以前の感想で書きましたけど、購入せずそのまま忘れていた1冊です。丁度引っ越しだったのも時期が悪かったです。 でもこれで、謎だった中身が知れるのだと期待してい…
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