TRPG流浪の時代 #10 【T&Tの参考文献】
このエッセイを書く上で、手元に残るT&T関連の本を引っ張り出してみたところと、当時社会思想社から発売されたT&T関連本のうち、その殆どを持っていたことがわかりました。中には買ったことすら覚えていない本も見つかりました。三十年以上も経ってしまえば、そんなこともあるでしょう。
ネット検索を利用して(今は便利な時代ですね)、当時どれだけ出版されたものかを調べてみると、持っていないのはソロ・アドベンチャー2冊だけでした。
ただその時代の日本では人気が上がらなかったのでしょう。中途半端に刊行されて終わったように思います。
年号が昭和から平成に代わった頃、ソードワールドRPG(オリジナル版の方です)が発売され、いきなり大ヒットしましたし、
平成になってからはソードワールドRPGが爆発的に売れてしまいましたし、申し訳ないですがウォーロックも既に失速感がありました。広く認知させるには全く力不足だったのだろうと思います。
因みに、『T&Tがよくわかる本』といった解説本や、T&Tのルールを発展させた『ハイパーT&T』も日本独自に発売されました。
そうした本も持っていますから、当時の私って手を出しまくりですね。当時のお小遣いが幾ら覚えていませんけれど、結構使ったんだろうと思います。ぶっちゃけ、無駄遣いですね。
そのまま長い時間、眠りについていたわけですが、まさか五十歳目前になって、こうして取り上げることになるとは思いませんでした。
TRPGから離れて25年以上経ちますけれど、何があるか人生わからないものですよ。
さて調べてみますと、現在でも最新版のT&Tが発売中です。内容は未確認なので、システムがどうなっているのかはわかりませんが、脈々と続いているようでした。
個人的に、中学生時代の自分はT&Tをとても気に入っていました。意外とはっきりしない世界観でしたが、逆に固定されることなく、足りない部分は色々と自分で想像を膨らませることにもなりました。
ただ残念ながら周囲には誰もこのTRPGには興味を持たなかったので、ぼっちでソロ・アドベンチャーをしていましたけれど、私はそれでも十分に満足していました。
現在のT&Tも気になりますけれど、やはり当時の思い出を壊したくないので手は出しません。今のD&Dや今のソードワールドも同じです。
今となっては古臭いシステムになってしまっても、やはり仲間と興じた当時のものが一番なのです。あの頃の気持ちを超えることは、きっとこれからもないと思っています。
本文中に出て来た『T&Tがよくわかる本』(消費税導入前・定価480円)と『ハイパーT&T』(当時3%税込み840円)です。前者は1988年(昭和63年)12月30日に初版発行、後者は1991年(平成3年)4月30日に初版発行でした。
『T&Tがよくわかる本』はいわゆる解説本。いきなりルールブックを開いてもわかりづらく、とっつきにくいものを感じていましたが、それらを解決するための参考書でした。興味を抱いてもらうには十分な1冊だろうと思います。
因みに今も時々見かけますが、こうしたTRPG関係などの『〇〇がよくわかる本』というタイトルの始まりは、『D&Dがよくわかる本』じゃないかなと思います。これは昭和62年7月30日(1987年)に初版発行になっていまして、富士見書房から出ていました。
D&Dの本体を購入する前に、その本を買っていましたね。どこまで読んだのか、全く覚えていませんけれど、中身はリプレイ形式でした。
『ハイパーT&T』は日本独自で進化したもの。記憶が曖昧ですが、発売前にウォーロック誌で関連記事の連載があったように思います。
内容としては、本来の『T&T』では足りなかった部分を補ったいわゆる拡張版です。文庫本ですが結構分厚い一冊になっているので、中々読み応えのある内容なのだろうと思います。
因みにこれも買うだけ買って、中身は殆ど確認せず、30年以上が経過しました。
でも、まあ、こうして話題として使えるわけですから、そのために手に入れていたのだと思えば、それでいいのかなと思います(そうした本はたくさんあります)。




