FFシリーズ ~サムライの剣~ その5
その後、村長から赤い絹の鉢巻きをプレゼントされます。その村で生まれた偉大なサムライ、『新免武蔵』の者とか。『宮本』じゃないの? と思って調べると、『新免』も正解でした。『宮本』の方が有名すぎるので、全く知りませんでした。
また捕まった貞信公に仕える若いサムライが突き出され、打ち首コール(多分ニュアンスはそうだと思う)が湧きあがります。
けど同じサムライ。『君』は命を助けることも、斬ることも出来ますが、ここは助けてやりましょう。石川五右衛門風にいうならば、『無益な殺生はせぬ』です。もう、戦いは終わったのですから。
そうすると彼は『君』に仕えることを誓ってくれるのです。このサムライ、長谷川喜平将軍『推し』でしたが、主は貞信公だったため、口にすることが許されませんでした。
こういうの、今の世の中でもありそうですよね。ドロドロした会社ほどありますよ。
名前は『弓常茂市』(ゆみつねもいち)となっていました。『弓常』姓、調べても出てこないから、創作みたいです。
この茂市は自分を連れ行くことで、『君』に『決して後悔しないと思う』と言い切りました。
ところがぎっちょん! この若いサムライ。超お喋り好きという意外な一面が語られます。そんなキャラだたの!?
まるで堰を切ったように、家族のことや自分自身のことを休みなく話している状態。ついには一緒に連れてきたことを『君』が『後悔する』とまで書かれています。
『後悔しないと思う』って言ったよね!? 後悔、しっぱなしだよっ!
ですがこの茂市。お喋りはともかく、展開としてはとても重要で、かつての主である貞信公の城まで案内してくれました。城は処水山の南の麓にあることが明かされています。
そして茂市の協力で、裏口からまんまと城に侵入することに成功。
貞信公の居城は『仏塔のような屋根と奇怪な彫刻を施した天守閣を持つ城』と表現されています。ちょっと想像がつきませんが、城というよりも砦じゃないですかね。番兵をしているのは『鬼女』(きじょ)と呼ばれる怪物。というか、妖怪? 見た目、オーガのような感じがします(挿絵があるので)。
ですがここに『鬼女』がいることで、貞信公が『影将軍イキル』と同盟関係にあることを察しました。
あれ? 『影将軍』? プロローグでは『闇将軍』って書いてあったじゃん。誤植なのかはわかりませんが、二つ名が変わっていました。
ともあれ、鬼女どもをぶっ倒し、裏切者の貞信公を打ち取るため、いざ、城内へ! 複雑な建物である描写はあるものの、実際は一方通行で、あっという間に貞信公の元へ到着しました。展開、早いな!!
その貞信公。顎がたるみ、顔全体がぶくぶく太って、豚のように小さな目が怒りに満ちていました。同等に扱われた豚さんに謝れ!
登場するときはヨタヨタ歩きで、いったいどれだけ運動不足なんだか。生活習慣病の塊、そのものです。大名の面影などありません。
衣装は滑稽で、ゆったりとした着物には、黄金の葉の紋様がちりばめられ、将軍であることを示す冠をかぶっているとのこと。いや、本物の将軍だって、冠はかぶらんだろ?
展開によっては貞信公の挿絵を見ることが出来るのですが、それを見る限り、着物はガウンみたいで(そこには何故かエビみたいな絵が描かれていた)、冠は何だか安っぽいパーティグッズみたいでした。
言うなれば日本の文化に西洋文化が混じって、面白おかしい姿になっていました。さすが八幡国!
貞信公の近習サムライ(いわゆる側近)を倒し、貞信公の見苦しい抵抗もあって一矢を報いられましたが、『君』と茂市の二人がかりであっさり成敗(展開によっては一対一になるけど)。二対一はサムライとしてどうなのかと思いますが、まあ、悪人を退治するには手段を選ぶ必要ありません。
悪人は常に滅びるのです!




