FFシリーズ ~サムライの剣~ その2
さて、この『サムライの剣』。
舞台は第三の大陸『クール』の『八幡国』。日本では八幡神社が有名ですけれど、そこから取ったのは容易に推測できますね。世界的に有名なのかどうかはわかりませんけれど。
八幡国と具体的な名前で登場するのはこの時が初めてですけれど、実際にはナンチャッテ・ジャパン的な国が存在していることは、暗に明示されていました。
何故ならば『死のワナの地下迷宮』に忍者が登場するからです。初めてプレイしたときは、いったいどこから沸いて出たんだっ!? と驚きましたけれど、その伏線がここで回収されたわけです。
またその後の『迷宮探検競技』でも、戦国時代の武将が登場しました。
どちらも八幡国からはるばる海を渡り、ポート・ブラックサンドまでやってきたわけです。お疲れ様です。
作者は言わずと知れたリビングストン氏ですが、日本が大好きなのかも知れませんね。だとすると、クールに八幡国を置いたのは、リビングストン氏の発案でしょうか。
タイタンにも八幡国の記述は少なからずあって、クール(暗黒大陸とも紹介されている)の南端、シオズイイ山脈(どんな漢字が当てはまるのか不明)の陰にあり、クールの残りの部分からは完全に断ち切られているとのこと。まさかタイタンでも鎖国状態っ!?
説明文によれば、ここは戦士支配階級、深遠なる精神心情で、独自の文化を発展させました。将軍がいたり、中小貴族が支配する荘園があったり、住民は農夫で、封建君主と領主に奴隷も同然に縛られているとのこと。
だいたい室町時代辺りがモチーフでしょうかね。江戸時代じゃなさそうです。
あと天皇家に当たる存在、いわゆる『帝』(みかど)については何も記述がないので、実質将軍が支配する国なのでしょう。
ゲームの基本ルールは従来通り。常に変わらないというのは、安心感を持ってチャレンジできますね。FFシリーズって、シンプルなシステムですけれど、実は最も合理的なキャラクター作成及び冒険システムではないでしょうか?
加えてここでは特別ルールがあって、『必殺技』を持っています。『弓術』、『居合術』、『猿飛の術』、『二刀流』(これだけは術ではないらしい)の四つです。それぞれ説明が長くなりそうなので割愛いたしますが、TRPG好きの日本人なら、およその推測が出来るかと思います。ましてや『猿飛の術』なんて、絶対に忍者だろうと(笑)。
主人公は侍ですけれど、どうしても忍者っぽい要素を出したかったのかも知れません。
ところで『必殺技』って、つまるところ『必ず相手を殺すための技』ですよね? 殺さずとも、それなりのダメージを与えることに違いはありません。
けど四つの必殺技のうち、『猿飛の術』って? これ、絶対に相手を殺せないだろ? 走り高跳びだったら優勝できそうですけど。
今回のレビューを書いていて、今更ながらツッコミを入れてしまいました。
他には『名誉点』があります。八幡国将軍に仕えるサムライ(タイトルに倣って、『侍』ではなく『サムライ』と今後は表記します)なのですから。義理と名誉を重んじます。
冒険を始める時点で、予め名誉点が3点与えられています。名誉点は冒険中の行いによって、増減します。
ところがこの名誉点がゼロになるとどうなるか? もちろん切腹です。別名『ハラキリ』です。
混沌の世界タイタンであっても、サムライはサムライらしい誇り高き死を選ばなければならないなんて、何だか理不尽ですね。
冒険を始める際、背荷物(風呂敷を亀の甲羅みたいに背負っているのかな?)には十食分の食料が入っています。
この舞台ですと、どんな保存の利く食料でしょうか? 米っぽい感じはしますけど、そのままのおにぎりだったら腐っちゃいそうですし、きび団子だったら袋に入れて腰につけるでしょうし(桃太郎じゃあるまいし)。
食糧が尽きたら、途中で魚を釣ったり、猪でも狩ったり。とにかく食いつながなければなりません。
あと持ち物としては、予備のふんどしくらいはありそうですね。
サムライの装備を色々と考えてしまいました。