TRPG流浪の時代 #09 【マスタースクリーン】
T&Tの話はまだ続きます。
このT&T日本語版に関わったのが、現在も活動中でありますグループSNE(ただし実際には本のどこにもグループ名は出てきていなかった)の初期の方々でした。
そう言えばこのグループが作成したT&T用のマスタースクリーン(要は・・・GMとプレイヤーとを隔てる楯みたいなもの)も手に入れましたっけ。このときはグループ名も表記されていましたが、『シンタックス・エラー』名義でした。
でも手に入れたものの、結局一度も使うことなく終わりました。要はわからないながらも、「何か欲しい!」くらいの気持ちで購入したのだろうと思います。
何年か前、自室の大整理を行った際に発見されました。未使用で、当時の袋に入ったままでしたので、かなり状態は良かったです。
発行年月日は『昭和63年5月1日』。昭和ですよ昭和っ! 時代が遠くなりましたね。
恐らくウォーロックに通販のお知らせが載り、金額分(1,500円と書いてありました)と送料分の切手を送って手に入れたと思います。前にも書きましたが、当時は切手でのやり取りが当たり前でしたからね。
マスタースクリーンを広げると、判定やキャラクター作成に必要な項目、データベースのような感じで印刷されていまして、その他大きなキャラクターシートがセットになっていました。
また当時のコンベンションで使われたシナリオも入っていました。印字された文字は、現在のようなクリアなものではなく、インクリボンを使ったドットプリンターで印字したと思しき文字で作られていたのが、かえってその時代の味わいを感じさせてくれます。
そうして作られた文章の原稿に、空白部分にイラストを貼り付けて、印刷用の原稿にして、それで印刷したのかも知れません。
現在ではパソコンとソフトがあれば、それなりに綺麗なものが自作出来ます。自宅が印刷所になるのですから、随分と進化したものです。
けど、こうした手作り感こそが昭和の味わいなんですよ。それがまた良いと感じる時代でした。
ただ今になって、グループSNEの方々がT&Tに何らかの影響を受けて、最初のソードワールドRPGを作り上げたんじゃないかなと思えるのです。
種族、能力、装備、モンスター。使用ダイスは六面体のみ。お手軽に冒険を始められるブックタイプなど。この時代(1987年から1988年)、既に水面下で動いていたのかも知れません。
因みに、先ほど登場しました『シンタックス・エラー(syntax error)』。これがもとになってグループSNEになりました。この意味は『プログラム文の間違い』で、N88-BASIC(当時のNEC PC9801で使えるBASIC言語)などをやっていると、良く出てくるエラーでした。
BASIC言語、懐かしいです。当時はプログラミング言語を勉強しているだけで、悪い意味での『オタク』(嫌悪されました)でした。そもそもパソコンに触れているだけで、世間の目はそうでした。
それが今では小学校から授業として導入されていますからね。40年近くの間に社会も変わりました。
現在のプリンターは、ページプリンターかインクジェット。どちらも綺麗に印刷されますね。ちょっとした冊子なら、自宅で作れてしまいます。
でも昔はドットプリンター。中にはインクリボンというものが入っていて、確かこのリボンを叩くようにして印字する仕組みだったと思います。だから途中でむらが出来たり、薄れていったり。
多分カーボン紙と同じような原理なんじゃないかなと。調べれば済むことですけど、面倒なので調べません。
我が家にもこのプリンターがありまして、後に仲間内でリプレイ誌を自作する際に活躍してくれました。ともかく、音がうるさくて。「キー」とも「ピー」とも取れる音がして、一枚印刷するのにとても時間がかかりました。
また当時は熱転写紙もあって、インクがいらないものもありましたけれど、これは経年劣化で段々と消えてしまいます。昔のレシートとかこのタイプでした。
今で言えば、消えるボールペンと同じ。こちらも自然と消えていきますね(だから仕事ではスキャンしているけど)。
こちらも熱がからみますので、もしかしたら、熱転写紙の理論が応用されているのかも知れません。




