FFシリーズ ~サイボーグを倒せ~ その5
解決してから出勤しても、「いや~、ちょっとシルバー・クルセダー(現シルバー・クルセイダー)になっていました」などと報告できるわけもなく、上司のジョナー・ホワイト氏に、ギャンギャン怒られるだけなのです。正義のヒーローって、ある意味損な役回りですよね。この世で一番割りに合わないボランティア活動かも知れません。
なので人間臭い一面もたまに出ていたりします。そこがまた、物語性を増しています。
ですが事件は毎日、ひっきりなしに発生。『君』の持つ犯罪探知機には次々と情報が舞い込みます。しかも同時多発的に複数発生するなんて、『こんな状況、どうすればいいんじゃっ!』と、正義のヒーローだってぶっち切れたくなります。
そこれそ漫画みたいに『コピーロボット』があれば別ですけれど、そうもいきませんからね。一つだけ選んだら後は諦めましょう。ヒーローだって、時には割り切る必要性があるのです。
そうした大小さまざまな事件の解決に尽力する中で、『恐怖結社』の情報を断片的に見つけたり、また新たな事件の情報を手に入れたり。
中でも『恐怖結社』の会合情報が、メモ書きされていたりって、情報漏洩、ひどすぎだなっ! 本気でテロを起こす気があるのかっ!!
証拠隠滅のために、記憶したら焼き捨てるのが定石です。部下ども、頭悪いんじゃないか!?
更には個性的な悪役というより、むしろ面白そうな怪人たちが目白押し。更には何故か『恐怖結社』と関係なさそうなゾンビや、人食いサメまで登場するというサービスぶり。何だか楽しくなっちゃいますね。
それも含めてまさにアメコミのノリそのまんま(だと思う。読んだことないけど)ですので、米国のS・ジャクソン氏の作品と間違えてしまうのではないか。そんな錯覚さえ覚えてしまいます。
もちろん内容はしっかり作りこまれているのでご安心を。ひょっとして英国のS・ジャクソン氏は、元々アメコミが大好きなんじゃ? 単に資料としてざっと読んだだけでは、中々ここまでのアメコミ感は出せないと思います。
そもそも英国には、こうした正義のヒーロー的概念ってあるのでしょうか? 英国と言えば『シャーロック・ホームズ』のイメージが色濃く、また異世界ファンタジー好きであれば、『指輪物語』のイメージになるかと思います。
ホラーっぽいものであれば、『フランケンシュタイン』や『ジキルとハイド』でしょうかね。他にも色々とあると思いますけれど、アメコミのようなヒーローは全く思いつきません。
日本のヒーローものは、恐らく米国から輸入されたイメージが、日本独自に進化したものだろうと思います。




