FFシリーズ ~サイボーグを倒せ~ その2
さてここでの主人公はなんと正義のヒーローです。でも我が国で活躍するようなヒーローとは違い、いわゆるアメコミ系のヒーローが登場するのです。
その名も、『シルバー・クルセダー』。日本語に訳せば、『銀の聖騎士』となるでしょうかね。
なお現在のものは『シルバー・クルセイダー』と修正されています(原本は持っていませんが、宣伝文句でそう表記されていたのを確認した)が、あくまでも出版当時(1987年)の雰囲気を損なわないためにも、また当時の翻訳を担当されたかたへの礼儀として、『シルバー・クルセダー』のままずっと進めていきます。ご了承ください。
いつの時代も正義のヒーローは人気者ですね。日本では今の方が幅広い人気を獲得していますが、四十年ほど前(1980年代)は、男の子の小学生が対象で、それ以外は対象外でした。
それに現在は美男美女。敵対する幹部もそうみたいですから、だいぶ変わりましたね。
昔は良い意味で、ビジュアルよりもガチの男臭い人がヒーローを演じていましたし、敵のボスも強面(と言ったら失礼ですが、それだけ個性的で演技派だったのだと思う)俳優さんが演じていました。
そう言えば子どもながら、『バトルケニア』と『デンジブルー』と『宇宙刑事ギャバン』の主人公が、何故同じ顔をしているのか、混乱しそうになりました。実は三つ子だったのかも知れません(笑)。
物語の舞台は『タイタン・シティ』。いや~、この名前だけでも、プレイヤーの心を思い切りくすぐってくれるじゃないですかっ! くすぐったいのが苦手な私は、笑いが止まりませんよ!
ですがこの『タイタン・シティ』は犯罪組織『恐怖結社』がはびこるとても危険な都市なのです。まさにSFのアランシア大陸状態です。この犯罪結社が行う犯罪から市民を守るのが、『君』の使命でした。
どこの国であるのかは明記されていませんが、どう見たってアメリカでしょう。暗にアメリカをにおわせるワードがたくさん盛り込まれています。つまりここは51番目に当たる『アランシア州』でしょうか?
そもそもアメリカには、『エリア51』という『UFOと宇宙人』を隠している・・・かどうかわからない秘密のエリア(公式に認められたから秘密じゃないけど)がありますから、51番目として秘密の州があってもおかしくありませんね。
あと何故か、ここでは『火吹山の魔法使い』も、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』も発売中です。運が良ければプレイ中に発見できますよ。
因みに『恐怖結社』の正式名称は『ヨーロッパ・アメリカ・破壊連合』で、単語の頭文字をとって『F.E.A.R』でした。これを『恐怖結社』と日本語訳した当時の翻訳者さん(奥付を見ると当時の本職は『会社員』で、いわゆる副業だったのではないでしょうか?)、秀逸です。ただ現在の版ではここのところがどうなっているのかは、商品の紹介文にも書かれておらず(『シルバー・クルセイダー』の表記は確認できた)、また現物を持っていないのでわかりませんでした。
けど当時の版ではこれが何の頭文字なのかはわかりません。『E』は『EUROPE』で『A』は『AMERICA』であろうことは推測できますが、他は謎のまま。
色々調べてみると『F』は『Federation』(連合)、『R』は『Ravagement』(荒廃・破壊)でしょうか。
ですので、『Federation of Europe and America Ravagement』 。あくまでも勝手な予想ですけど。
そしてこの『恐怖結社』の幹部たちが集まる重要会議の場所を探り出し、彼らの野望を打ち砕くことがこのゲームブックのメインストーリーとなっていました。