【閑話休題 ~アドバンスト ファイティング・ファンタジー(上巻) その1】
この章の最後の最後で、また閑話休題を突っ込むのもおかしな構成ですが、前回までの話を書き終えた後に、ひっそりと本棚の隅にあるのを見つけました。そういや、あったなあ・・・と。
これを読んでおられる方々はご存じの方も多いと思いますが、もともと『ファイティング・ファンタジー』なるTRPG作品が、1985年の年末に東京創元社から発売されていました。東京創元社と言えば、現在ではミステリー・推理系の出版社のイメージが強いと思うのですが、この頃は『ソーサリー』や日本人ゲームブック作家の作品など、多数のゲームブック作品を発売していました。
時期的にも『ソーサリー』の大ヒットを受け、その流れに乗って『ファイティング・ファンタジー』も発売することとなったのでしょうが、ゲームブック作品しか触れていなかった私にとって、例えルールの系統は同じであって、いったいこれはどうやって遊ぶのかと、頭の中は混乱することとなりました。TRPGに触れるのには、まだ早すぎたのです。
それを発展させたのが『アドバンスト ファイティング・ファンタジー』、通称『AFF』です。このTRPGの話題を最初に日本に紹介したのは、恐らく『ウォーロック』だと思います。
その頃は『ソードワールドRPG』に夢中になっていました。既にゲームブックからは殆ど撤退していましたが、TRPGに興味を持っていたことから購入したのだろうと思います。
上巻の奥付を見ますと、発売したのが1990年12月31日、初版でした。当時、消費税3%込みで640円でした。330ページほどでしたので、普通の文庫本小説くらいの厚みでした。現在であれば、800円から900円くらいでしょうか。
下巻はその二か月後の発売だったようです。
上巻の内容はルール全般と、シナリオ『ダンジョニア・アドベンチャーⅠ 魔術師の塔』が収録されていました。とは言っても、これはほぼ読み物でした。
簡単に説明しますと、悪い魔術師であるゾルタン・スロッグの塔に乗り込み、さらわれた婚約者の姫を助けに行く王子様とその家来のお話ですね。
これを読むことで、GMもプレイヤーも、いったいどのようなものであるのか、その概要をつかむことが出来ます。
肝心のルールの基本はこれまでのFFシリーズと同様、『技術』・『体力』・『運』が基本です。
戦闘方法は同じですが、使用する武器によってダメージが若干異なり、必ずしも-2点ということではありませんでした。この辺りはTRPGっぽいですね。
他にも若干変更点や付け加えられた点はあるものの、FFシリーズに慣れ親しんでいるプレイヤーであれば、難なく受け入れることが出来るでしょう。
それに加えて『技能』や『呪文』が新たに実装されていました。この頃の呪文は、現在のアニメなどで見られる派手な大型魔法はなく、言うなれば原始的な魔法ばかり。FFシリーズ内でも幾つか呪文は登場しましたね。
ですがそれらの呪文よりも幅広く用意されていました。どちらかと言えば、『ソーサリー』寄りなのかも知れません。




