FFシリーズ ~甦る妖術使い~ その3
さあ、いよいよ出発となりました。ヤズトロモ爺さんに見送られて、まず最初に向かうのは伝説の剣が存在しているという『月岩山地』の湖です。
定番のフィールド・アドベンチャーから始まりますが、例のごとくそのところどころで、何故か必要不可欠なアイテムが転がっているわけです。まさに神様のご加護があるとしか思えません。
でも、そんな生易しい冒険ではないことは、過去のFFシリーズを見ればわかること。あくまでもそうした幸運は危険への撒き餌でしかありません。
全ての選択が正しいはずがなく、下手に欲張るととんでもない出来事も発生します。今後の冒険に支障がきたす能力値の減点イベントもありますから、より慎重になる必要があります。ここは作者であるリビングストン氏の考えを、どう読むかですね。
また序盤の冒険にもかかわらず、これまでFFシリーズはもちろんのこと、『モンスター事典』にも収録されていなかった新たなモンスターが、惜しげもなく登場します。
序盤でどんどんぶっこんできますから、それこそ中盤から後半にかけて、どんな新種モンスターが登場するか。冒険者たちをわくわくさせてくれます。
挿絵もあるのですが、より不気味さが増しています。
カメレオン系ヒューマノイドが登場したり、とがった耳と猫のように吊り上がった目を持ち、大きな羽根がついている黒妖精とか。挿絵を見る限り、もはや怪人じゃないか。子供の頃に見た仮面ライダー・シリーズに、こんなやつら、出てこなかったっけ?
こうした不気味な連中は、現在の日本の冒険ファンタジーでは、まず登場することはないでしょう。
当然のことながら凶悪で何よりも不気味です。これでこそFFシリーズですよ。
現在のように可愛さや格好良さを求めてはいけません。
それにしても本当にこのアランシア、多種多様ですね。冒険の途中に新種発見が目白押しです。これでは『モンスター事典』、随時更新ですよ。
あっ、そう言えば現在(2023年)の新版は改訂されているんでしたっけ? 私は未読なので詳細はわかりません。もしかしたらここで登場する新しいモンスターたちも、新たに収録されているのかも知れません。
けれどこんな環境の中でもたくましく登場するあのモンスター。そう。ゴブリンです。どんな場所でも絶対に出てきますね。ゴブリンが登場しない冒険など考えられません。
きっとこの世界において、もっとも繁殖力が高く、適応力が高く、ぶっちゃけしぶとい種族ではないでしょうか? それこそ『タイタン』が崩壊しようとも、ゴブリンだけは生き残るくらいではと。
ある意味、ゴブリン最強説です。