FFシリーズ ~甦る妖術使い~ その2
さてこのラザックを討伐したのがクール(『タイタン』ではクルと紹介されていたが、当時のゲームブックでの表記を用います)という勇敢な戦士。しかもかつてラザックが所有していた魔法の剣を手に入れ、それによって打倒したという経緯でした(妖術使いになるために、全ての武具は手放さなければならなかったそうで)。
しかしこのクールもラザックに呪いをかけられてしまい、肉体は腐り落ち、あろうことが骸骨に姿を変えられてしまいました。そんな姿になってしまったクールは、今も魔法の剣を片手に月岩山地にある霧深き湖で、いかだに乗りながら、その剣を手にする新たな勇者を待っていると言われています。
なぜそんな場所の湖かと言えば、ラザックがこの剣を捨てた場所だった(つまりクールがその剣を見つけた場所だった)からというのが、この理由です。
一方、倒されたはずのラザックは棺に入れて地中深くに埋葬され、善良な魔法使いによって封印されたことになっています。これ、ひょっとしてヤズトロモ爺さん? プロローグの時点ではわかっていませんけど、ありえる話ですね。
ともかくその棺を掘り出した墓泥棒がいて、復活してしまったというのがヤズトロモ爺さんの見解でした。
百年の時を経て棺から復活なんて、あの大人気長寿コミックのカリスマ的悪役みたいですね。
この墓泥棒、どうなったのかは何も書かれていません。そもそも墓泥棒ごときが魔法使いの封印を解けるものなのかと、そこも不思議に思います。
ヤズトロモ爺さんの話では、その剣を手に入れ、身を守るための護符・お守りを集めたうえで、ラザックを再び倒さなければなりません。
もちろんその役目は『君』。一方的に押し付けられてしまいました。
相変わらずな貧乏くじをひかされたような展開ですけれど、この辺はゲームブックあるあるな展開ですからね。
こんな感じでプロローグは終わり(だいぶ重要な情報ははしょったと思う)、討伐の冒険が始まることとなりました。
なお付け加えておきますが、『タイタン』にもラザックに関する記述はあるものの、殆ど同じ内容でした。
ただし埋葬については異なっていまして、棺は月岩山地の裂け目の奥に安置され、妖術使いは忘れ去られたと書かれています。超ずさんな葬り方!
いずれにせよ、火葬をはしょったことで、百年後、再び悪夢が甦ることとなったわけです。