FFシリーズ ~甦る妖術使い~ その1
ここで登場するのはリビングストン氏の『甦る妖術使い』です。FFシリーズの第26弾として発売されましたが、社会思想社版としては日本で発売されたリビングストン氏、最後の作品となりました(確かそうだと思うけど、間違っていたらごめんなさい)。
初版発行日を確認すると、1988年7月30日。昭和63年になりますが、既にゲームブックは下降の一途をたどっていたと思います。
書店の本棚にはまだゲームブックは並んでいましたが、売れ残ったものが並んでいただけなのかも知れませんね。
それでも購入したのは、当時中学二年生だった私が、まだゲームブックが好きであったことや、何よりも危険なアランシアでの冒険を望んでいたからでしょう。
因みに社会思想社版のFFシリーズは、教養文庫に含まれていたので、そのコーナーを覗けば意外とまだ並んでいた覚えがあります。
さて『甦る妖術使い』では新たな悪役として、邪悪な妖術使いラザックが登場します。表紙を見るとその容姿が描かれていて、骸骨に薄皮が張り付いただけのような、超不気味な顔だちをしています。
どうしても『タイタン』にいる悪役って、どれも不気味な面構えになってしまうんですよね。むしろ西洋のホラー的な要素があるのかも知れません。
それに比べると、日本の悪役って不気味な容姿は少なくなったんじゃないかと思います。逆に格好良かったり、女性の悪役だったら意外と可愛らしくなっていたり。
同じ冒険ファンタジーでも、日本と欧米では全く違う進化を遂げたと思います。
そして彼、妖術使いラザックについて語るのは魔法使いヤズトロモ爺さん。ある意味、この人はFFシリーズの案内役みたいな存在ですね(リビングストン氏の作品では)。
ちょこちょこと登場しています。出演料、実は高かったりして。
ネタばれにならない程度にざっくり要約しますが、このラザックとは百年前にアランシア大陸を疫病と災害によって恐怖のどん底に陥れた人物でした。百年前のお話をするってことは、ヤズトロモ爺さん、いったいいくつなんでしょうね?
異世界ファンタジーの魔法使いさんは、なぜか長命な方が多いようですが、このお爺さんもそんな感じですね。
でも長命であるならば、お年寄りじゃなくて若さを保ったまま長命でありたいですよ。長命でも身体が思うように動かなければ面白くありませんから。