FFシリーズ ~迷宮探検競技~ その8
さて、長らく話してきました『迷宮探検競技』の話、締めくくりに入りましょう。
これ、最後のパラグラフにちょっとだけ後日談が書いてあるのです。一週間身体を休めた後、この賞金を何に使おうかと。
その結果軍隊を雇って、月岩山地を越えた東側の未知の国々を征服しに行く衝動にかられます。
あっ、これ、ダメになるパターンだ。思いがけずあぶく銭を手に入れて、舞い上がっちゃって、何でも出来ちゃう気分になるあの心理。
今だったらそんなつっこみが出てしまいますけれど、この世界の『君』にそんな頭はありません。
その翌日、この町(多分、ファング)と周辺に兵員募集のビラをばらまいて、早速メンバー探し。
一週間後に雇い入れた兵隊たちを引き連れて、意気揚々と制服に出発! というところで物語は終わりました。
その後の『君』。どうなったかわかりません。ある意味、消息不明。
月岩山地も当時の『タイタン』には地図上に地名だけが出ていますが、詳細は不明。
総額金貨二万枚で雇うにも、ビラを印刷するコストとか、ばらまくための人件費(自分で貼ってまわったのかも)とか考えると、結構それなりのコストと時間がかかりそうですね。
それにただでさえ危険なアランシアですから、ビラを配りに行くのだって、危険を伴いますし。
兵士一人幾らで雇ったかまでは書いていませんが、軍隊と言う程じゃないんじゃないかな。せいぜい、ちょっと大きなあらくれ集団みたいな?
そう言えば征服に行くっていうだけで、もはや略奪前提ですからね。良いイメージがありません。
そもそも『未知の国』ということから、つまり未知であるわけです。そもそも国が存在しているかもわかりません。仮にあったとしても、良くわからない国々を征服したところで、何か利益があるのでしょうか? 産業も謎です。
いまいち先を考えないで決めた目標な感じがします。小学生の夏休みの過ごし方計画レベルの計画です。
きっと冒険者に戻って、冒険を続けた方が『迷宮探検競技』のチャンピオンとして、英雄視され続けたんじゃないかな。
語れなかった部分として、原題は『Trial of Champions』。直訳すると『チャンピオンの試練』ということで、予告の段階ではこの日本語タイトルだったのを覚えています。
ただしよく見ると複数形。チャンピオンたちなんですよね。ブラッド・アイランドでの死闘を勝ち残った者を指しているのであれば、当然のことながら生き残ったのは『君』一人です。
まあ、そこはもう細かくつっこんじゃいけません。
発売時には『迷宮探検競技』とわかりやすいタイトルになりました。『死のワナの地下迷宮』の続編をうたっていましたから、こちらの方が都合が良かったのでしょう。
意外としめくくりが長くなったので、後半に続きます。
(また来週です)




