FFシリーズ ~迷宮探検競技~ その6
この『迷宮探検競技』の勝者はたった一名。前回の『死のワナの地下迷宮』も同じでした。
破れた者は死か、または地下迷宮でサムカビット公のために生き続けるか。
つまりそれって、従業員!? しかもある意味、正規雇用!? ちゃんとその後のことを考えてくれているわけですね~。責任感あります。
更に住み込みで衣食住の心配はないし、競技会は一年に一度だから、普段はメンテナンス程度だし。
そう考えると、かなり楽な仕事なんじゃないでしょうか? これであとは福利厚生がしっかりしていればバッチリです。
そう言えばここでも魔女の老婆が登場しますが、この人も長年ここで働いているのかも知れません。きっと若かりし頃は可愛い魔女っ子で、『迷宮探検競技』に挑んだのでしょう。あれから五十年以上が過ぎて、今もこうして元気に働いています。
それにしても相変わらずですが、リビングストン氏の作品には老婆が登場しますね。危険なアランシアでも長生きするとてもたくましい女性です。
ですが『君』や他の挑戦者たちは、死に物狂いで迷宮制覇に挑みます。老人になっても、ここにいるわけにはいきません。
そうした中、『君』以外の挑戦者たちとも運が良ければ(悪ければかな?)、遭遇することがあります。要はみんながライバルというレベルではなく、みんなが敵。遭遇した時は用心に次ぐ用心。疑ってかかりましょう。
その中で当初から謎だった『カオスの王者』。この二つ名って、どうなんだ? 強そうに見えて、指をさされそうな名前です。
おさらいすると、トゲトゲ付きの全身鎧に身を包んでいます。挿絵を見ると、トゲトゲ付きのこん棒が彼の武器でした。トゲトゲ、好きですね~。まるで釘バットじゃないですか。いつの時代の不良だよ! って、つっこんじゃいたくなります。
結局戦闘せざるを得ないのですけれど、そのパラグラフの説明では、ちょっとだけ彼の素性が説明されていました。『生まれついてこのかた、ひたすら殺しと略奪のみに生きてきた』者で、『根っからの戦闘マシン』だと。
何て言うか、ほぼ、強盗殺人犯? カオス、関係ないんじゃ? 王者でもないし。
そもそもこんな性格の人物(人間かどうかもわからない)だったら、まともな思考が無いに等しいのでは? でも参加しているってことは、ちゃんと出場の申し込みをして、ここまでやってきたわけですから、もしかしたら参加者のフリをして、サムカビット公がぶちこんだ刺客だったのかも知れません。
更に気になるもう一方、『東洋の武将』。これも挿絵があるのですが、思い切り戦国時代の武士のおじさん。『関ヶ原の戦い』の最中、突如異世界転移でもしてきたんじゃないかと、そんな気迫を感じました。
いざとなればサムカビット公の御前で『切腹』です。多分、『HARAKIRI』として海外には伝わっていた時代だろうと思います。
ですが明らかにこの武将、第三の大陸『クール』にある『八幡国』出身なのでです。書いていませんけれど、ここしかありえません。いわゆる『ナンチャッテJAPAN!』な国です。
これ、『タイタン』でもそれなりに説明が書いてあって、日本の歴史を調べた上で設定しているみたいですね。『サムライの剣』(ナンチャッテっぽさが好きだった)を取り上げる際にでも、このことに触れたいと思います。
因みに『タイタン』の地図を見ると、滅茶苦茶遠く離れています。船旅、お疲れさまでした!
その他、『エルフの王子』と『ドワーフの貴族』とも少ないですが接点はあります。
まあ、基本は用心に次ぐ用心ですね。ただ良いことがあるか、悪いことがあるかは内緒ですが。




