FFシリーズ ~迷宮探検競技~ その5
迷宮の中のことは冒険のヒントとなりかねないので、出来る限り伏せた状態でお話していきますね(闘技場の部分はネタバレしても問題ないので書いてしまいましたけど)。
前回の話にちょっと書きましたが、スタート時点の『君』の装備は、一振りの剣と皮袋のみ。今回は食糧もありません。
裏を返せば、迷宮内でアイテムを見つけて、自分で装備を増やしていくというメッセージととらえることが出来ます。
生き残るためのポイントとしては、いかに必要なアイテムかどうかを読み、手を出すか否かを決めなければなりません。当然、全部が全部、役に立つアイテムではないことは、説明せずともわかりますが。
それを踏まえて迷宮探検をしなければなりません。
印象としては、『死のワナの地下迷宮』で公開された迷宮とは、全く異なる迷宮です。改造というか、もはや『大改造!!ビフォーアフター』の世界です。『なんということでしょう!』と、サザエさんっぽい声が迷宮内で何度も聞こえてくるようなレベルでした。
あの手、この手で挑戦者を翻弄し、陥れるワナや敵が次々と現れます。それは前回と同様なのですが、メンバーの顔触れも随分賑やかになりました。サムカビット公、大胆なリストラと中途採用を行ったみたいですね。
多方面から多彩な逸材を募集。決して間に合わせにかき集めたものではなく、個性豊かな新たな精鋭たちとともに、無謀な挑戦者たちを迎え撃つ心構え。サムカビット公の本気度が伝わってきます。
中でも今回、骸骨が結構出てきますね。少なくとも三か所、それぞれ呼び名が若干違っても、骸骨は骸骨。骸骨王と名乗る骸骨馬に乗った骸骨も登場しました。
更にはゾンビたちの一団も、ぞろぞろと現れます。これまでこの迷宮でお亡くなりになった挑戦者の方々なのでしょうか? だとすれば再就職先、サムカビット公はちゃんと考えてくれていたんですね。
他には死霊の女王なんてミイラみたいな女性も登場。この人もぶっちゃけ、死んでいますね。
もはやこの世界、死んでも働く世の中になっています。ゾンビも骸骨も、その他のアンデッドも、そう簡単には浄化させてくれません。
さすがは混沌の世界、『タイタン』ですね。ある意味、永遠の命が約束されているようなものです。
その他多いのは、どこからか集めてきたビースト系。そればかりを扱うペットショップでもあるのでしょうか? これもお給料はいりませんが、それよりも遥かに高いエサ代がかかりそうです。
しかも迷宮探検競技は一年に一度だから、挑戦者だけをエサにすることは出来ません。共食いが始まってしまいます。
現実世界の動物園でも飼育代はかなりかかりますから、きっとこの世界も同じことでしょう。
ですがそこはサムカビット公、大金持ちですから心配いりません。まあ、死んだ父親から相続した財産が原資でしょうけれど(だからカーナス卿がひねくれちゃったわけです)。
購入してから三十年以上経って、エッセイに書く上でざっと読み直していくと、色んな想像が出来るものですね。当時とは違った楽しみ方をしながらこれを書いています。




