FFシリーズ ~迷宮探検競技~ その3
三回戦の場に登場したのは十二人。意外と生き残っていました。
闘技場には基部のある太い柱が立てられ、その両側には鋭い刃が取り付けられています。一つは頭の高さ、もう一つは足の高さ。この刃がグルグル回転するので、しゃがんだり、飛んだりして、刃をよけ続ける必要がありました。
これ、どうやって回しているんだろう? 衛兵が柱を回転させることは書かれていましたけれど、操作性については何も書かれていませんでした。
しかもどれくらいこれを繰り返せば突破できるのかも不明。五分とか十分くらいでしょうか?
それとも、回転させる衛兵がばてるまででしょうか?
ここはわからずじまいでした。
そのまま四回戦、というか準決勝に突入。生き残った面子でのバトルロイヤルです。お~、やっと戦闘っぽくなってきました。さすがは準決勝です。
ただし全員目隠しをし、利き腕にはチェーン付きのスパイク球(要はモーニングスターみたいなやつだと思う)、逆の腕には楯を装備し、五人一組での戦いとなりました。
もはや全員が座頭市ですね。今の若い人たちは馴染みがないかもですが。
因みに『君』のグループは、他にドワーフ、女戦士、蛮人、マンオーク、肌の黒い南方人。
戦闘はブンブンと鉄球を振り回し、当たればもうけもん。やっぱりここでも運試し勝負でした。
FFシリーズには結構『蛮人』の表現が出てきますが、恐らく『バーバリアン』の日本語訳ではないかと。今だったら『蛮人』の表現は使いづらいかもですね(私が子どもの頃は『野蛮人』の表現が残っていました)。
最後はもう一人の生き残りと一対一の対戦になりますが、目隠しのことなど関係なしに、いつも通りの戦闘になりました。
勝ち残るとその日のバトルはそこで終了。いよいよ明日は決勝戦です。
決勝戦は南方人との一対一の戦闘です。片手に短剣、もう片方はトゲトゲ付きのグローブ。
正真正銘、小細工なしのガチファイト! とは言っても、いつもと変わらない戦闘ルールですけれどね。そこはプレイしている『君』の頭で、思い通りの死闘を描くしかありません。
そして勝利すれば晴れて奴隷戦士のチャンピオン!
ですが栄冠はなく、むしろカーナス卿に対するみんなの復讐心を敗者の相手から託されることとなります。重いものを背負いましたね。今までのFFシリーズにはなかった展開です。
『君』は必ずカーナス卿を殺して、復讐を果たすことを、死んだ奴隷たちの魂に誓ったのでした。
ところがその夜、いきなりの賓客扱い。飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎで、死んだ他の奴隷のことなど、頭の片隅からすっかりすっ飛んでしまいました。
まあ、生き延びたら、羽目を外しますよね。一言で表すならば、『ヒャッハー!』です。
そんな状態が一週間も続き、天国を味わったあとで、さあ、これからが再び地獄へと突入。
奴隷戦士に逆戻りした『君』は、逃げられないように手錠をはめられ、カーナス卿とその一団と一緒に船に乗り、いざ、迷宮のあるファングへ!
いよいよ敵陣へ乗り込むこととなったわけですが、迷宮に入ってからのお話はまた次回。
それにしても前置きの話がえらい長かったですね。勝ち抜きトーナメントの話だけで三話も使ってしまいました。先を急ぎましょう。




