TRPG流浪の時代 #04 【当時のベーシックセットとは?】
せっかくですので、ここで買った当時のベーシックセットについてご紹介いたしましょう。
対象レベルは1から3まで。本当に初心者がスタートを切り、ちょっと遊んでみる程度のレベルです。今で言うところの、『スターターセット』ですね。
でも、本当に最初の”三歩”くらいなので、もう少し先へ進んで遊びたいのなら、やはり次のエキスパートセットまでは必要でした。ここまであればある程度楽しむことが出来ると思います。
通称『赤箱』の中身は「プレーヤーズマニュアル」と「ダンジョンマスターズルールブック」の2冊の他、6種類のダイス(4・6・8・10・12・20面)が入っていました。味気ない白い近い色のダイスでした。
現在のTRPGはどうなのかわかりませんが、この頃のゲームでは六面体以外も使うこともありました。30面体という特殊なダイスもありましたし、100面体というものもありました。いったい、何に使うのでしょうかね?
ですが次第に一般的な六面体だけで遊べるものに、TRPGもシフトしていったように思います。多分、あとで登場することになる『ソードワールドRPG』の影響が大きかったのでしょう。
そもそもそう簡単に一般的なサイコロ以外は売ってはいませんでした。
高校時代になってからですが、神保町にあった書泉ブックマート(現在は閉店したが、グランデはある)のTRPGコーナーで、自分の好きな色のものを手に入れました。
その頃は仲間たちと興じていたのですが、自然と自分の色というものが生まれました。アイドルのイメージカラーみたいすね。因みに私はエメラルドグリーンでした。
このD&Dのキャラクターは全部で7種類。ルールブックに書かれた順にクレリック、ファイター、マジックユーザー、シーフ、ドワーフ、エルフ、ハーフリングです。
ここでのドワーフ、エルフ、ハーフリングは種族ではなく、むしろ職業的な意味合いで扱われていました。
因みにハーフリングはホビットに該当するもの。権利的な問題があり、この名前になったとか、どうとか。これと同様にソードワールドRPGが発売されたとき、グラスランナーが設定されていましたね。
なお、キャラクターシートはルールブックに印刷されたものしかなかったため、コンビニなどでコピーを取って、それに書き込むしかありませんでした。
当時から10円でしたし、今よりも機能は劣るものの、それなりにきちんとコピーが取れました。
各キャラクター作成については書きませんが、とにかくどのキャラクターも、最初は死にやすいという印象しかありません。キャラクターによって最初に決めるHP用のダイスの種類が異なりますが、1など出してしまうと早くも死亡にリーチです。ホント、転んだだけで死んでしまいますから、ギャグじゃないかって。
ファイターでさえ8面ダイスを1回だけ振って決めましたから、各種能力値を決める時点で、いきなりテンションが下がることもありました。
こうした中で一番弱かったのがマジックユーザー。HPは4面ダイスでしたし、魔法もそんなに使えませんし、それでいて防具はつけられないという制約がありました(何故?)。
一撃でも攻撃を食らえば、速攻で死にます。だから現在のTRPGなどにある魔法使いの格好良さなど、少しもありませんでした。
しかも一日で使える魔法の数が決まっていて、レベル1は1つだけ。毎朝、その日に使う魔法をその都度覚えるとか、今から思うと意味不明なルールでした(理由は謎のままです)。
また次のレベルに上がれる経験値も、各キャラクターで異なっていました。ですので、スタートは一緒でも直ぐにばらつきが生まれてしまい、パーティとしてはいびつな感じになってしまいました。
2冊のルールブックも、内容が上手に整理されている感じではなく、何だか思いついた順番に書かれているような感じでした。悪く言えば・・・雑。
ですから知りたいことを探し当てることに時間が掛かりました。これはT&Tにも言えることですが、外国産のルールブックは、正直うまくまとまっているとは思えませんでした。
ひょっとしたらその後に発売されるさまざまな国産TRPGは、D&Dルールブックのわかりにくい点や、キャラクター作成の問題点を参考にして、最初から誰もが楽しめることを一番に考えて生み出されたのかも知れません。
今に思えば改善点の多いシステムだったと思いますけれど、それでもTRPGの元祖として、とても重要なポジションにあることは、現在でも変わらないと思います。
ルールブックを開いてみました。
ルールブックには、ドワーフ、ハーフリング、エルフのイラストが載っているのですが、ここでもゲームブックと同様、エルフは何かいびつな感じがしています。目つきもきついし、頬骨が出て表情も冷たく、やせ型でした。
それが時代とともに変化して、目がパッチリとして、顔つきも丸顔で温和になり、場合によってはグラマーで、エロ要素も若干感じられるようになりました。いかにも日本人好みに進化した典型的な例だろうと思います。
ドワーフも同じようなもので、その時代はなぜかずんぐり大系の髭を生やした老人のような男性キャラしか見かけませんでした。むしろ、老人なのか若者なのか、全く区別がつきませんでした。
加えて女性のドワーフや、子どものドワーフというイメージが無い時代でした。私が覚えている限り、学生時代までに触れたコミックやファンタジー系小説(まだラノベという言葉は無かったので、この表現を使いますね)で、見た事ありませんでした。
2021年の春ごろに見ていたアニメ(と原作コミック)に、ちょっとだけドワーフのキャラが出てきましたが、私の頭の中のイメージと全く容姿で驚きました。
むしろ小柄な人間という感じで、三十数年前のイメージとは、全く別の進化を遂げていました。




