FF RPGシナリオ ~『謎かけ盗賊』~ その6
さて前回まで色々と語ってきました(というか、ネタバレが多くて今更ながらごめんなさい)。
最後に書きたかったけれど洩れてしまった分などを追記しておきます。
忘れていましたが原題は『The Riddling Reaver』です。『riddling』の意味は『なぞなぞ』。『reaver』は略奪者。ほぼ原題そのまんまですけど、さすがに『quiz』だと『クイズ番組』みたいですしね。
恐らく英語の『riddling』は日本における落語の『謎かけ問答』に近いように思います。
この『謎かけ盗賊』。当時の社会思想社版『タイタン』には、何も記されていません。と言うことは、編纂された後で生まれたキャラクターなのでしょう。
しかも実際の著作者はスティーブ・ジャクソン氏ではありませんから(ポール・メイソン氏、スティーブ・ウィリアムズ氏)、その人たちが生み出したオリジナルなのか、それともジャクソン氏がアイディアを提供しているのか。そこはちょっとわかりません。
また舞台もこれまで全く取り上げられなかった最南端。『タイタン』にも全く記されていない土地をあえて選んだのは、何のイメージも情報もなく、まっさらな状態で冒険に挑めるからではないでしょうか?
既に登場したアランシア中の有名な舞台を使ってしまうと、うっかり不具合や矛盾点を発生させてしまったり、既にゲームブックで体感していることもありますから、面白味に欠けるかと思います。
それに『タイタン』の補足的な意味合いもあったのかも知れません。
この『謎かけ盗賊』の顔は、表紙や挿絵などでも登場しますが、爬虫類的な顔をしています。これが仮面なのか、素顔なのか語られていませんが、盗賊ならば偽の顔はありえますね。
あとホントは前回書きたかったのですが、『謎かけ盗賊』のアジトには、円盤人さんがいます。『バルサスの要塞』にも登場しましたね。
あの時も三人組でしたが、今回も三人組でした。もしや『バルサスの要塞』が崩壊したあと、ここに再就職したんじゃ?
何かこのキャラ、滑稽で大好きなのです(だから自分が書いている『魔族さんたちのニッチな話』でも登場させた)。まさか二度目の登場があるとは思いませんでした。
カバーの後ろには、その時に発売となった本が写真入りで出ていました。
見ればFFシリーズ第31巻の『最後の戦士』(これは買わなかった)、『トンネルズ&トロールズ』のルールブック、『混沌の渦』(中世ヨーロッパふうTRPGルールブック)。
この頃の社会思想社は、どうにかこうにか、まだこのような作品の発売を続けていたようです。
『混沌の渦』は私も買いました。でもカッコ書きしたように、異世界ファンタジーではなく、中世ヨーロッパふうのTRPGで、全然面白く無さそうだなと、買ってすぐ、中学生だった私は思ったのです。お小遣い、無駄に使った・・・と(笑)。実際、そうでした(笑)。
ですが今となっては貴重な資料。まさからアラフィフになって、価値が出るとは思いませんでした。これもいずれ取り上げたいです。
既にこの頃(1990年)はゲームブックも風前の灯でしたし、『T&T』も思ったよりパッとしませんでした。『D&D』すら、その後販売元が次々変わったり、使用が文庫本とかに変ったりしましたから、TRPG激動の時代が、始まろうとしていたのだろうと思います。
恐らくその頃、私自身も『ウォーロック』(社会思想社)から心が離れ始めていたはずです。
同じタイミングで『ドラゴンマガジン』(富士見書房)および『RPGマガジン』(ホビージャパン)、また『ソードワールドRPG』などに傾倒していきました。自分にとっても大きな変化が起こった時期でした。
最後の方は余談になってしまいましたが、これにて『謎かけ盗賊』の話はおしまいです。
次回からゲームブックの話に戻ります。『迷宮探検競技』の話を予定しています。




