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TRPG冒険狂時代   作者: @篩獅師(ふるいしし/shi_shi)
第2章 TRPG流浪の時代

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TRPG流浪の時代 #03 【ついに手に入れた『D&D』ベーシックセット!!】

 その頃(1988年1月・昭和63年)、隣のクラスに同じようなことに興味を持つ生徒がおりました。元々小学校時代のクラスメートで、ゲームブックからTRPGへシフトしていった数少ない者の一人でした(彼もまた時々ウォーロック誌を読んでいた)。

 その彼が『D&D』を手に入れたと話してくれたのです。当然その頃はネット通販などなく、都内の専門店も知りません。どこでどうすれば手に入るものか、中学一年生の私にはまったくわかりませんでした。

 そうした中、彼が『D&D』を手に入れたのですから、それはとても驚くべき出来事でした。


 どうやって手に入れたのか。尋ねるとそれは意外なことに、とても簡単な答えが返ってきました。何とそれは、駅前商店街のホビーショップで売っているということでした。

 この駅前のホビーショップ。いつ頃開店したのかはわかりませんが、私が小学生だった昭和五十年代後半には、既に地元の子どもたちの間ではある意味聖地のような場所になっていました。


 常に流行りのホビー商品を取り揃えるという、言わば子供たちへの情報発信源的立場となっていました。恐らくこの界隈で育った子供たち(主に男の子)であれば、殆どがこのお店にお世話になっていることでしょう。


 実は現在もこのお店は営業中。雑居ビルの1階にある小さなお店ですが、どうやらファンに支えられているようです(現在は模型専門店みたいですが)。

 ただしその界隈の雑居ビルはどれも古く、駅前再開発の流れで次々と建て替えが行われています。そのショップが入っているビルも、同じくとても古いので、遅かれ早かれそうした波にのまれてしまうのではと感じています。


 さて彼の話を聞き、すぐにでも駆けつけたくなりました。ちょうどお年玉が入ったころで、まだ残っていましたから、それでまずはベーシックセットを買おうと決めました。

 当時の定価は4,800円(まだ消費税が導入されていない時代でした)。今から思うと、随分と高価なゲームだったのだろうと思います。

 何年か前に同じボックス仕様(赤箱で、イラストも同じ)で、ホビージャパン社から発売されたのを写真だけ見ましたが(多分中身は当時と変わっているはず)、今の値段で税抜き4,800円でしたから、やはり当時の値段はめちゃくちゃ高いものだったと思います。

 

 さて、お年玉を持って早速そのホビーショップへと足を運びました。多分ガンプラ(ガンダムのプラモデルの略称で、ブームになった1982年・昭和57年頃は1/144モデルが300円でした)で列を作った時以来このブームもすごいものだっただったと思います。

 狭い店内を更に狭くするように、高く積まれたプラモデルの回廊(まさにそんな感じでした)を進むと、店主さんの座るカウンターの傍の棚に、色々な輸入ゲームと一緒に求める真っ赤なボックスを見つけました。

 『D&D』のベーシックセット。多分エキスパートセットもあったはずです。

 きっとその時の私は、すごくドキドキしながら手に取っていたと思います。ですが見慣れない太った中学生(当時、私は肥満体でしたが、今はむしろスリムな中年だろうと自負しています)が、マニアックなゲームを手に取っているのですから、店主さんから見れば不思議だったかも知れません。

 

 ビニールでパッケージされたそのボックスを店主さんに渡し、お金を払って、私は急いで自宅に戻りました。ついに自分も手に入れたのです。宝物を見つけた気分だったろうと思います。

 ついに禁断の扉を開いた私は、こうしてTRPGへの第一歩を踏みだしたのでした。

 当時のボックスセットの裏側を見ると、色々と説明書きが書かれていました。写真がアップできないのが残念です。

 その中でも、『君の冒険の全てがここから始まるのだ!』という誘い文句があったのですが、その言葉だけで今でもワクワクしてしまいます。

 ホント、アラフィフで変わり映えのしない毎日から抜け出すために、心だけでも大冒険に出かけたいものです。あの頃のように。


 さてベーシックセットで扱うレベル1からレベル3までは、ダンジョン内での冒険を想定した内容だろうと考えています。ゲームのタイトルからして、そうじゃないとおかしいですからね。

 やっぱり今も昔も冒険の基本は、ダンジョンなのだろうと思います。


 レベル4からレベル14。こちらは荒野での冒険という名目でしたので、フィールドに舞台を移してのものとなります。その中には当然街での冒険なども含まれるわけです。

 これだけ見ても、この2セットだけ手元にあれば十分に楽しめることがわかるかと思います。

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