FFシリーズ ~恐怖の神殿~ その6
最後にまたまとめということで。
表紙は『蛇人』です。先に説明した通り、顔が蛇、上半身がヒューマノイド、下半身が大蛇。滅茶苦茶威嚇していますね~。あの漫画のように、ドロップキック、仕掛けてくるでしょうか~?
この本の奥付を見ると、『1987年1月30日 初版第1刷発行』で、私が持っているのは『1987年2月1日 初版第2刷発行』のもの。二日しか時間差がないけど? 因みに昭和62年です。
お値段は480円(消費税なし)。この時代は文庫本が一冊480円というのは、かなり定番だったと思います。この頃にゲームブックや、後の冒険ファンタジー小説をだいぶ購入したからか、この年齢になっても文庫本は1冊480円のイメージが強く残っています。
それでもこの辺りは既に人気は落ち込み始めている時だと思います。学校でもゲームブックをやっている児童も見なくなりました。自分はひっそりと、こっそりと続けていました。
『ウォーロック』は人気回復の起爆剤だったのかも知れませんが、そこまでは行かなかったのでしょう。
この作品では、あとがきの代わりに『もっとも簡単なゲームブックの作り方』として、コラムが掲載されていました。コラムを書いたのは冒険企画局の近藤功司氏。この頃はまだ『ウォーロック』誌の編集長ではなかったと思います。
かなりしっかりと書き込まれていて、これ、異世界冒険ファンタジーをこれから書こうとしている人にとっても、練習用にちょうどいいんじゃないかな。細かいことが書かれているので、ここで要約して載せるというのは、ちょっと出来ませんけれど。
要は地図を描いて、そこに地理的条件を加え、宝物をおいて、冒険者に冒険させるもの。この中にはそこで暮らす人々のことや村のこと、生活を脅かすモンスターのこと、待ち受けるアクシデントとかもからんでくるのですが、少しずつ発想を広げていけばいいのだろうと思います。
さてこの『恐怖の神殿』の後、『迷宮探検競技』までしばらく空白が出来てしまいます。その間は別のかたが別の舞台での冒険を描いたり、SF作品が混ざってきたり。好きな作品(『サムライの剣』はなんちゃってジャパンな作品で大好きでした)もありましたが、何よりもアランシア大陸での冒険がなくなり、それがとても残念でした。
実際は第十巻である『地獄の館』から少しずつ方向性が変ってきました。広がりを見せたのは良いと思いますが、リビングストン氏もジャクソン氏も、忙しくなっていたのかも知れません。
ただジャクソン氏は『サイボーグを倒せ』というSF作品の傑作を世に送り出しています。
因みにリビングストン氏も近未来を舞台にした『フリーウェイの戦士』を発表しています。
どちらも傑作ですでの、これはぜひ取り上げたいです。
この話はここまでです。次は『迷宮探検競技』です・・・と行きたいところですが、ここで番外編を挟みます。
ついに三十年越しの『トロール牙峠戦争』を読み終えました。その感動が薄れないうちに、ちょっとぶち込んでおきます。