FFシリーズ ~雪の魔女の洞窟~ その6
当時の『タイタン』(社会思想社)には、『雪の魔女シャリーラ』について、ある程度の情報が掲載されていました。
それによると『かつては人間』でした。『ゼンギスで育った娘』であり、『女魔術師として訓練を積み』ました。
その際の試練で『氷指山脈』へ送られたとのことや、試練は五週間にわたり、極寒の中で暮らさなければならなかったことなどが、書かれています。もはや僧侶の修業ですよね。かなりきつかったと、ちゃんと書いてあります。
そこで氷魔人と出会い、簡単に言えばドロップアウト。邪悪な魔女へと一直線となるわけですが、ぶっちゃけ、グレたんだろっ!? こんなの、現実世界でも嫌になるわっ!
氷魔人の弟子になって、今度は妖術師として修行。死者をゾンビやスケルトンにする術を身に着けたとのことでした。つまりネクロマンサーってやつですね。
水晶の洞窟に住んでからは、奴隷を従え、いつの間にか吸血鬼化しちゃいました。その奴隷の首には首輪がついていて、いつでも魔法で絞殺せると。
因みに『雪の魔女の洞窟』の表紙はそんなシーンが描かれていて、恐らく作品中の『三三九』番の様子なのだろうと思います。現物をお持ちの方は、確認してみてくださいね。
私が持っているこの本ですが、奥付を見ると『1986年4月28日初版第2刷発行』となっています。因みにその前には『1986年4月25日初版第1刷発行』となっているので、まだまだ人気が高かった時代であることが伺えます。僅か三日ですもんね。
ちなみに一番最後のページには『ゲームブックマガジン』の創刊予告が掲載されていました。
『昭和六十一年六月』から隔月刊。一部百円で、年間六冊(六百円)一括予約者に限ると書いてありました。これは受注生産だったのでしょうか? 確かに手作り感(冊子の仕様にはワープロ活字と書いてあります)、満載でしたけど。
1986年末には『ウォーロック』(社会思想社版)が創刊されましたから、それまでの繋ぎみたいな冊子だったのかも知れません。
後に在庫を申し込んで手に入れましたけれど、今となってはとても貴重な冊子だと思います。
というわけで、長々と書いてきました『雪の魔女の洞窟』についてのお話はここまでです。
手持ちの『FFシリーズ』はまだ色々とありますが、アランシア大陸での冒険に限定すると、『恐怖の神殿』、『迷宮探検競技』、『モンスター誕生』、『甦る妖術使い』の四冊です。加えてシナリオ集の『謎かけ盗賊』と、三十数年のときを経て手に入れた小説『トロール牙峠戦争』。
『トロール牙峠戦争』を除くと、最後に買ったのが『甦る妖術使い』か『謎かけ盗賊』かと。それ以降も少し出ていたみたいですが、ゲームブックからは完全に離れて、TRPGへと移行しました。
最近になって豪華版で新作を含めて再発されていますけれど、これらには手を出しません。
やはりあの頃の思い出に上書きをしたくないですし、何より良い歳になってしまったので、あまり余計なものは増やしたくないのですしね。
そんなことも考えながら、執筆をしています。
次回は『恐怖の神殿』のお話です。
今後ともよろしくお願いいたします。




