【修正版の前書き】
2025年現在から遡ること40年前、まだ昭和時代が続いていた1985年(昭和60年)のことになりますけれど、最初に触れたのはゲームブック、『ソーサリー・シリーズ』の第3巻、『七匹の大蛇』でした。作者は英国出身のスティーブ・ジャクソン氏。今もなお、ゲームブック界のレジェンドとして世界中のファンから、尊敬のまなざしを向けられています。もちろん、相棒のアイン・リビングストン氏のことも忘れてはなりません。
その作品が冒険者としての最初の一歩となり、そのまま十代前半は他のゲームブック、中頃から先は『ソードワールドRPG』を中心とした冒険に明け暮れ、大学卒業までの約12年間、一気に駆け抜けました。ある意味、それが自分にとっての青春時代だったのだろうと思います。
社会人となり、本来自分が生きる世界に引き戻されてからは、次第にTRPG関係から遠ざかっていきました。ただ大学生の中ごろからは当時の仲間たちともあまり顔を合わす時間が無くなり、既に興味が薄れ始めていたことも事実です。
とにかくいきなり世界が大きく変わって、それまでの呑気な生活から一転して、囚われの身の奴隷のような生活が始まりました。
このことが、言うなればTRPGから離れる痛恨の一撃だったんじゃないかと、今では思います。
それでもしばらくの間は関連本や関連雑誌などは惰性で購入を続けていましたが、殆ど読んでいなかったと思います。
そのうちそうしたものからも離れ、21世紀になった頃には全く手を出さなくなってしまいました。
当時を思い返すようになったのは、四十代になってから。それまでの何年間かは人生でも重たい時間を過ごしていましたし、四十代になってからも何も変わりませんでしたので、現実逃避的な意味であの頃を懐かしむようになったのかも知れませんね。あの頃は良かったと。
それに加齢とともに段々と記憶は薄れていくものですから、覚えているうちに少しでも書き残すことにしたのです。
書き始めた頃はあくまでも記憶を呼び起こすだけで、最近のTRPGに手を染めるつもりもありませんでした。さすがにそこまでの時間はなかったからです。
なので自分自身が楽しむ思い出話の一つにしか過ぎないものでした。
書いたものは何度か発表先を変え、何度も修正を行い、2025年現在は『小説家になろう』にて、連載が継続中です。少し時間がかかりましたが、じわじわと読んでくださる方が増え、自分なりにスマッシュ・ヒットしたエッセイになったと感じています。
ですが最初に掲載した頃からだいぶ時間も流れ、改めて初期に書いた文章を振り返ると、話の内容としておかしな点が幾つも見られるようになりました。大きな点としては、『FFシリーズ』の復活(書き始めたころは絶版だったが、2025年現在、ボックスセットで何作か発売されている)や、『ウォーロック』の復活(現在は『GMウォーロック』として)などがあげられます。
他にも矛盾ではないものの、修正が必要になった個所、削除した方がよさそうな個所も結構見つかりました。
内容として大きな変更はありませんが、現在に合わせた修正を行ったものを改めて掲載することといたしました。
読み直していただければ幸いです。




