【はじめに】
それはまさに永い眠りについていた宝物の封印を解くようなものでした。
ゲームブックやその関連雑誌。
初期のTRPGやその関連雑誌。
アナログゲーム全般の専門誌。
ライトノベルに進化する前のファンタジー小説や関連雑誌。
ファンタジーの世界観をかもし出す様々な設定本。
etc。
主にそれらは1980年代中頃から1990年代、青春時代を送っていた私が集めたものでした。
時代としては昭和の終わりから平成の初期(そして20世紀末!)。
また国産TRPG、国産ファンタジーの黎明期にあたります。
今となっては、随分と古い時代のお話になりました。
それでもなお、当時の友人たちと興じた日々は、今も変わらず輝いているように思えるのです。
だから私はそれらの思い出が、やがて私の記憶の片隅からも消えてしまわぬ前に、こうして出来る限り書き残しておくことにしました。
いつか自分が老人になったときに読み返し、50年以上前の自分はこんなことをしていたんだと思えるためにです。
個人的な話が多くなりますが、当時をリアルに知るかたがただけではなく、今の時代の若いかたがたにも読んでいただければ幸いです。こんな時代があったのだと。
なお本編に登場する作品のタイトル名や出版社名は、当時のものを使っています。現在、復刻されている作品のタイトルや出版している出版社と異なる場合がありますが、ご了承ください。
【なろう版追記】
このエッセイは主に2016年~2018年頃にカクヨムの方にて連載していたもの、及び2021年にnoteの方で展開していた改訂版が元となっています(現在はどちらも存在していません)。
自分がリアルタイムに楽しんでいた時代からは、随分と時間が流れてしまいました。今の若い人たちにとって、昭和時代など大昔でしょうね。
多分、私が子どもの頃、明治時代や大正時代を遠い昔のように感じていたのと、似たような感覚なのではと思います。
現在のTRPGがどのような状況になっているのか全くわかりませんし、興味もあまりありません。もう一度始める気力もなく、残念ながらそれだけ歳を重ねてしまったのだろうと思います。
ですが友人たちと興じた時間は、今もとても大切な青春時代だと思っています。
当時、自分が興じたTRPGやゲームブックの数々は、30年以上(2022年現在)の時間が経過した今も、殆ど手元に残されています。TRPGファンからすれば、どれもとても貴重なものになっているのかも知れません。
この辺りの話、どれくらい盛り込めるかわかりませんが、可能な限りお話に載せたいと思っています。