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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「さて、艦の主要メンバーだけを改めて秘密裏に集めたのには訳があります」
「それは一体?」
「この艦には部屋に限りがあるのはご存じでしょうが、武装に関しては現在4種類しか実装できてません」
あんな馬鹿みたいに多い部屋を確保してる蒼と比べるのが烏滸がましいわ。
「「ハァ!」「何!」」
「聞いてないですよ、」
「艦長!」
「マジすか」
「なぜこんなことに」
部屋の件はみんな頷いてる。だからこそ際立つ武装関連の問題。
「落ち着いて、みんな。まず内訳から話すとね、主砲3門でショックカノン砲が未実装。」
「ビーム衝撃特殊兵装不在ですか!」
「えーと魚雷発射管実装が追いつかず前後に1問ずつしか載っていません」
「スペック仕様では8問つけるはずでは?」
「発射管扉の不具合で現在、扉が稼働するのが2問だけだそうです」
「・・・ほかの武装は?」
「えーっと、対空兵器は実弾ではなくビームが実装できているそうです。ただ逆にこちらは実弾がダメなようです」
「使えねぇな。どうするんだよ。こんなに使えないとこの先、星の海を渡ることさえ危険だぞ。よくあのドックからココまで何もなく来れたな」
「『確かに』」
皆さん意見が一致してる。
「それで、最後の武装なんですが・・・・・
電子戦闘設備が乗っているそうです」
「『つ、使えねぇーよ!そんな武装!!というか武装ですら怪しいよ!』」
「ッ!ですよね。とりあえず、エルフリーデン星系のノルトキツキア惑星から出発するときには武装が完全仕様になるようなのでとりあえず、気を付けていくしかありませんが」
「艦長、ココからノルトキツキアまではおよそ1日半近くかかると思うんですが」
「それで皆さんを集めての作戦会議を実行しようかと思いまして・・・・
・・・。
(どうしよう。不安しかないんだけど。智也ももう少し何とか設備を完璧にしてから出航させてほしかったわ、知らなかったんだろうけど)」
“有紗とクリスの部屋”
「ハイ、今日からしばらくの間、私が主役になります。」
「急にどうしたの有紗」
「なんか、私の人生の中で一番すごい出来事が起こっている気がするから」
「なんだ、そんな気持ちってことか」
「気持ちって言われてもティフィーだってそう思わない?まさかの艦橋で仕事を学べるなんてすごいと思わないの?」
「私は別に、ただお父さんの居た部隊と違っていて学ぶことが多いなとは思うけどね」
「ふーん、やっぱりティフィーでもそう思うんだ」
「そりゃーそうだよ。私だって幹部候補生学校来る前は普通の学生だったんだから、そこは有紗と一緒でしょ」
「だね~。あの学校に行ってる人たちの内の何割がもともと軍人さんだったかなんて話していてもわからなかったもんね」
「そもそも部隊落ちなんてのはよっぽど酷いことしてる人が行くのであって幹部候補生学校に来るような人が部隊でうまくできなかったなんてありえないんだけどね」
「それで皆ありえないくらいドン引きだったんだね」
「まぁ、地球ってそこだけは遅れてる気がするよね」
「まぁこっち来てから事あるごとに思うんだけどね、地球っていまだに統一国家で同じ言語ってことをしていないせいで宇宙に上がるたびに自分の言語と地球の主要言語5つと惑星国家同盟主要言語を覚えなきゃいけないのが難点なんだよ。まぁ結局使わない言語なんてすぐに忘れて今じゃ主要言語と日本語しか使ってないからね」
「・・・・・・。遅れてるんだね」
「ど、どういう意味?」
「たぶん200年くらい前に翻訳機能の付いたイヤーピースあるいはイヤリングが出ててちょっと高いけど地球言語も全て踏破している最新モデルあるから話しただけで相手につながる優れものだよ。ほら、私はイヤリングタイプだしディルはイヤーピースしてたはずだよ」
「そうなんだ。知らなかった。それにしてもイヤーピースって耳にいれるから危なくないの?それに周囲の音とか聞こえなさそうなんだけど」
「あぁ、耳に入れるタイプは旧型。耳の穴の近くに張り付ける薄型の、なんだろう。皮みたいな超薄型のちっさいタイプがあるの。最近のモデルは統一されつつあるけどね」
「へ~、じゃぁティフィーはなんでイヤーピースじゃないの?」
「・・・(可愛くない)から」
「えっ?何、ごめん。聞こえなかった」
「可愛くないから!」
「・・・・」
実直な意見キター!
「うぅ~。は、恥ずかしい。」
「(照れてる、照れてる。可愛いね、可愛いよ。うん)」
それにしても出航って、すぐするものじゃないんだね。艦長さんのお話だと出航はあと2時間くらいかかるそうだからそれまでは部屋での待機命令が出てるから待っとくけどね。
仮入隊員の習熟度 現在 0%
誤字を発見したため、修正してます。