88
「まぁ、気を付けて帰れよ。」
「無事の航海を祈るよ。」
ジェリコブさんと警備室のおじさんが手を振って見送ってくれてる。
宇宙船が滑走路?を通って空へ上がるとき窓から外を見ていた時展望台から二人が手を振ってくれているのが見えた。もちろん、こちらも手を振り返しておいたよ。
そんな二人を見つつ宇宙港から最速便と呼ばれる便で中継点、ゼルセルタ航空宇宙軍管轄星系の宇宙港に向かっている。
「え~次は学園島~。学園島でございます。降りの方は停車後に荷物をお出しください。停泊時間は1時間となっています。次は終点、学園港~。学園港~でございます~」
「・・・学園島?」
「あぁ、皆さん、いつも疑問に思われますからね、ミッドガルツには学園惑星が存在しますがここでは学園島と言えば一般高校、一般大学がある惑星で、我々が向かっているのは軍の養成所がある場所なんですよ、しかも惑星一つ一つが訓練用としてあるので一日丸ごと使って惑星移動で訓練なんかもあるそうです
よ。それに養成所すら何カ所かありましてね、一般は普通に軍養成所、それ以外に専門知識を学ぶための専門学校。最後に幹部候補生を育成するための幹部候補生学校なんかもあるそうです」
ほへ~、詳しいな。
「お詳しいですね」
「まぁ、意外と広く知られている情報ですからね。パンフレットにも書かれていますし」
それって知ったかぶりあるいはカンニングとは言わないかい?
「へ、へ~」
「さぁ、そろそろ、宇宙港ですよ。ココでは学園港と言われていますけど、大きい艦は端の端に、小さい船は中心に近い所に止まっているそうでしてお兄さんの乗る船が分かるまでは、ゼルセルタ航空宇宙軍の転移研究班の依頼した部署について行ってもらえればと思いますよ」
「分かりました」
~SIDEジェームズ・ダン・ルッシュ・ノワール3等宙尉
先ほど艦長からメールが来た。
さっきまでは船に学生を部下にするための選抜部隊説明会を行っており明日か明後日には艦に連れて行くので炉の出力を上げて発艦準備を進めておいてほしいと電話で着ていたのに、急用ができたので同時進行で宇宙港に一人お迎えに行ってほしいとのこと詳細はメールで来るそうだが。
何があったんだろう。結構慌てて打ってるせいか誤字が多かったが。
最後は既読すら付かなくなったし。
チャットの中身としては、
・・・・
From:艦長T
To:ジェームズ
j,ems,im....
From:ジェームズ
To:艦長T
どうしたの艦長?そんな焦って?もう少しで艦に戻るから戻ったら全艦内に発艦準備のアラート流しておきますよ。
From:艦長T
To:ジェームズ
tigaunda,
imasugukimiggaa
From:ジェームズ
To:艦長T
艦長、まず変換がおかしいから、直して読めない。
From:艦長T
To:ジェームズ
すまない取り乱した、。今すぐ君が宇宙港に行って人を一人連れて戦艦蒼に乗艦させておいてほしい。乗る部屋は・・・客室でかまわない。
また連絡する。こっちもたてこんd
From:ジェームズ
To:艦長T
了解しました。艦長。
From:ジェームズ
To:艦長T
艦長?既読が付かないんですけど?艦長?
・・・・・
20分後の宇宙港近くでようやく返信とともに
From:艦長T
To:ジェームズ
気づいたらジェームズ君が二度、既読確認してきてくれていた、すまん。
えーと、まずゼルセルタ航空宇宙軍の転移研究班から緊急案件で依頼が来た。
転移者が別の惑星で現れたらしく早急に帰還させてほしいとのこと。
もうすぐ到着ロビー12番口から降りてくるので案内人から引き継いで艦に乗せてほしいことがまず一つ。
本人は何もわかっていないそうだからとりあえず送ります、とだけ伝えて艦の客室に案内してほしい。
二つ目は俺から今艦にいる全員に向けて軽めに話を伝えたのと、発艦準備を発令しているからジェームズ君は艦に戻り次第、艦の外で待機中のレティシア引き継いでくれればいいから。俺もここを離れる準備はするがどうしてもあと一日かかりそうだし艦もすぐには難しいそうだから余裕をもって発艦は明日のAM10:00とする。以上
From:ジェームズ
To:艦長T
了解しました。もうすぐ着きます。
と、こんなやり取りをしていたらほんとに到着ロビーから人が下りてきていることを確認した。
「すいません、第七大隊の方ですね?」
「そうです。」
「私はゼルセルタ航空宇宙軍の転移研究班 ヘッジと言います。向こうの案内人とは顔見知りなので引継ぎ要員としてきてます」
「すいません。ありがとうございます。自分は」
「あぁ、自己紹介は大丈夫です。それより降りてきましたよ」
「行きましょうか」
「えぇ」
誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。