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ある日、日常が壊れた。
日常生活が壊れる時ってどんな時だと思う?
1.事故
2.犯罪
3.災害
俺にとっては1の事故のように突然であり、2の犯罪のように人生そのものを奪われ、3の災害のようにどうしようもないことではあるもののそれが防げないことへの怒りがこみあげてくる。
自分でもわかっているんだ。どうしようもない、戻りたくても戻れないと思わないように逃げているとしてもそれでもあの場所へ戻れるのなら・・・・
あぁ。
そんなことわかってるさ。考えたって無駄なことくらい。
ココは地球ではなくて剣と魔法の世界でもなくてSFものの宇宙系のジャンルだってことくらい。
今、悪いが絶賛現実逃避気味だから何も考えたくない。
・・・
分かってはいたさ、俺だってネット小説は読むしSFも読むけど俺が好きなのは転移・転生物のチート最強物が大好きなんだよ。宇宙が舞台のは楽しく読むけどこう、なんていうのかな、たまには別の料理で口の中の味を変えて楽しむくらいしか考えていなくて、ただボーっと見てるだけだから知識も何も知らないのに!!
・・・。
はぁー、ようやく落ち着いてきた。
今いるこの場所は宇宙港と呼ばれている場所で宇宙空間の衛星軌道上にあるコロニーにあるのではなく地上にある宇宙港だそうだ。
なぜわかるかって?簡単だ。俺は転移したらしく転移先では言語を勝手に翻訳してくれている。見たことのない文字だがなんか読めるし、書けるし。
ドッキリか映画の撮影所に間違って来たのかと思ったけどトイレや空まで再現するわけが無い、宇宙船ぽいのはマジで空飛んでいるからほんとなんだとすぐにわかったよ。空は全体に緑っぽいし海は白色だ。どういう世界なのか意味が分からない。
転移と転生の違い?
簡単だろ、転生は記憶が戻る系で着ている服はその場所に会ったものだろうし、転移は転移する前とした後の服装が違うからな。
ちなみに転移したショックでスマホのデータは初期化しました、と言われてバッテリー切れ。
もう二度と俺のデータを見れないとは。ショックを通り越して絶望で膝たちになってしまったくらいだ。
はぁ、ようやく落ち着いてきた。
ココは『宇宙港施設管理号棟 警備室空港関連警備室』の応接間に通されている。
通常の空港で急にパスポート的なものを持っていないものは拘束される運命なのだが、ココは少しだけ特殊で何とこの星は昔からいろいろな世界から転移してくる人が多い場所で元に戻れた人もいれば戻れなかった人もいるんだそうだ。
ちなみに地球人だと伝えたところ20年前にこちらに来た人もそう名乗っていたそうでその人は何とか無事に帰れたそうだ。それに今ではそちらへ向かう航路もあるので超長距離高速通信ネット回線で地球とのやり取りができていて、今さっき警備室から転移者総合取扱施設が連絡を入れてくれたそうだ。
これから宇宙港から宇宙船で地球に届けてくれるそうだ。俺からの支払いは無いそうだ。人為的でないそうで事故で災害が確立されているからこそできる措置らしい。
俺が地球から飛ばされたタイミングだけは控えておいてほしいそうで、ちゃんと控えておいたさ。
『2022年1月1日午前6時23分』ということだけは覚えている。
何故そんなに詳しく覚えているかって?簡単に言えば12月の30日から1月の4日まで休みが消し飛んでしまい、世間様では年末年始のお休み中で一日も休みが無いということでイライラが溜り、1日についてはいつも以上の出勤時間をずらされた弊害で起床時間まで覚えてしまっていたことが原因だった。
そして普段は朝ご飯を食べないのに早く起きてネット小説を見つつ朝ご飯を食べて、いざ出発しようとして玄関閉めて後ろを振り返ると・・・。
分かるだろ。
そこは見慣れた場所でなく、地面は舗装されているアスファルトには見えない白っぽい地面。壁は一面鈍い色の銀色。天井は緑っぽい空。壁にカメラらしきものが付いていたため警備室からもすぐに確認され、転移が発覚。即座に対応してくれたらしい。
こんなことになるならもう少しSF物をしっかりと読んでおいてもよかったかもしれないな。
そんなわけで現在。
転移者総合取扱施設 施設長ジェリコブさんがいうには、
「この地からは地球への直行便が出ていないけどゼルセルタ航空宇宙軍の転移研究班に連絡したら一隻船を回してくれるそうだから中継点まで行ってほしいんだそうだ、だからこちらから案内人を付けるのでそちらから帰還してほしい。分かるか?今の説明だけで?」
「えぇ、ありがとうございます。何から何まで」
普通お役所ってやつは俺主観で言えばたらい回しがイメージとしてあるんだけどココは違うようだ
「えぇ、わかりました、案内人さんを付けていただいて、中継点から乗り継いで地球に戻れるようにしていただけるということですよね」
「そうなる。ただ、少し移動時間がかかるから向こうに付いたら2、3か月くらいたっていることは覚悟しといてくれよ」
「わかっていますよ。ジェリコフさん。ありがとうござ」
「・・・あのさ一つ言っとくと俺、ジェリコブ、ジェリコフじゃないの」
「す、すいません!」
ヤバい間違えちゃった。
「まぁ、いいけど、みんなよく間違えるし。」
「は、、( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
こんな顔にもなるよ。みんないつも間違えてんだ。そりゃ俺をお見送りに来てくれていた警備室のおじさんでさえ、えっ!って顔していたくらいだけど。
「まぁ、気を付けて帰れよ。」
「無事の航海を祈るよ。」
ジェリコブさんと警備室のおじさんが手を振って見送ってくれてる。
誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。