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誤字脱字、もし見つかれば報告、よろしくお願いします。
「有紗さん、ココは引いておきましょう、あとでオーナーに尋ねれば済みますからね、さぁ、気持ちを切り替えてデザートに行きましょうか、うえいたーさんお願いしますね?(あとで、覚えとけよ)」
『(!!)は、ハイ。今お持ちします。』
----SIDE:特務大隊第七大隊のとある隊員のお話。
「(隊長が幹部候補生学校に行ってから今日で1か月半。
昨日みんなで使っているチャット欄にこんなメッセージが入った。
『今俺がいるこの場所は粒揃いがゴロゴロしてて選別が大変だ』
この一言が原因なのか、チャット欄ではすでに皆がやる気のメッセージを送ってきた。
かく言う俺も資格取得があと1週間で終わるので新たなメンバー選出のための部隊募集人員枠に立候補することを決意した。
幹部候補生学校や専門学校などのゼルセルタ航空宇宙軍、特殊選択学校でその年の卒業資格を得たものは、正規隊員として新たな部署に配属されるが、この配属では初期スタートは地上勤務か宇宙勤務かを選択は出来るが下っ端からのスタートとなる。2択の勤務地のみで部署を選択することは出来ない。
だが、ここで一つだけ下っ端コースを回避できる方法がある。
それが、選抜部隊説明会。
正規部隊で特に上位の部隊がここで能力の高い生徒を確保できることから通称:選部説明会と短縮して呼ばれている。
この説明会に参加できる部隊は確実に上位であり、第一師団のエース部隊や救助活動の最前線はたまた戦場で活躍する華々しい成績を収めている有名な部隊が基本的に参加できる。
但し、説明会では必ずと言っていいほど入部試験がありそれに合格したとしても、卒業までは1か月、最低でも2週間前には一度、部隊との顔合わせと、体験入部で最後のすり合わせが行われる。
この体験入部で不合格をもらうと、最底辺の部隊からのスタートとなることが多い。
但し、部隊側からの不合格の場合は説明会に参加できていない部隊の推薦状を書いてくれる場合がほとんどであるため、生徒側はそれを狙っている者もそれなりに存在している。
その推薦状すら貰えなかった者は最底辺スタートになる。
要するにこの生徒は上位ではやっていけないので下の部隊で磨いてもらえと言われていることになる。つまり幹部候補生学校に入ったのに一般の養成学校上りと同じ部隊からのスタートになるということだ。
これがプライドがズタボロになるものが多数いるらしいが、ここで踏ん張れば上位部隊に行けることが確実になるが、そんなこと生徒は何も知らないし、もし知っていても意味がない。最底辺の部隊が嫌なら、確実に結果の出る説明会に参加は必須。そして確実に体験入部も合格しなくちゃならない。
部隊の入部希望者人数が多い所もあれば少ない所もある。少ない所ほど切り捨てが大きく、多い所は切り捨てが少なそうに見えて、そうでもないのが世知辛い。
その中で、隊長が自ら粒揃いだと言ってきたんだ。
俺たちも選抜に出て直接、この“眼”で確認しなきゃならないだろう。
俺たちの部隊は本当に特殊であり、部隊希望人数も多いはずだ。
ならば、このタイミングで部隊募集人員枠に生き残り、一人でもいい生徒を確保して俺の班に確保したいのは世の常。みんながおんなじことを思っていることがメッセージのやり取りだけでもわかる。
ならば先手必勝!
隊長に直電で勝負だ!)」
pulu.pulu.pulu.・・・・・。「この電話は現在電源が入っていないためかかりません、ただし選抜枠の人員募集の連絡は、合格者登録画面で登録したものから選抜しますのでそちらに登録をお願いします。なお、緊急の連絡は副長のクロを通してください。以上。。。。ピーーーー」ブツッ!
と切れた。
「隊長、意図的に電源落としているな、こうなっては俺は何としても資格を習得して合格者登録しなくちゃ!」
----SIDE:特務大隊第七大隊のとある隊員のお話。(終了)
「デザートおいしかったですね、智也さん!」
「あぁ、確かにあのインパクトのあるメニューから違う方向性で出してくるあのデザート、なかなか見事なものだった」
そうこう言っている間に気づけば智也と有紗の二人はアクアレストランの店を出たところだったようだ。
「有紗もあと半年で説明会だが、どうする?俺の部隊に正式に来るか?それとも自分の道を進んでみるか?」
「私、思っていたんです。ずっと最初に行くべき部隊はどこだろうかと。自分で選択するのもいいですが、誘ってもらっている部隊が、あの有名な特殊特務大隊なんだと。だったら行くべきなのではと思っているん」
「まぁ、そう焦らずにほかの部隊を見て回ってからでも遅くないと思うよ。もしかしたら見つけた部隊の雰囲気がいいかもしれないぞ」
「いいんですか?そんな選び方で?」
「人生一度きりの人生。自分のやりたい、進みたい道を全力で走り抜けるのが人生ってやつよ」
「わかりました。もう少しちゃんと考えてみます」
「そうしろ」
「さぁ、明日からまた訓練だ!」
「ハイ!」




