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誤字脱字、もし見つかれば報告、よろしくお願いします。
「それでは、せーので!」
「「いただきます」」
・・・・
「あー!おいしい‼このミャンゴの甲羅の宝石、口に含むといろんな味を楽しめてすっごくおいしいですよ!」
「確かに、おいしい。値段が高い理由が今わかった気がするよ」
確かにうまい。なんだっけ、魚の卵を食べる感じじゃない。濃縮した何だろううまみ成分が口に含んで嚙んだ瞬間口いっぱいに味がはじけ飛んでくる。
これがまずいと思うものはよっぽどの嫌いな人だと思う。
「これが前菜なんだな」
「これで前菜なんですね」
「「期待値が」」
「俺、そこまで味のレポできないから申し訳なく思うけど“うまい”しか言えないな」
「確かに、私もですけどホントにおいしい」
『次は野菜のスープです』
「野菜」
「えっ!」
そこに出てきたのはコンポタでもなく、緑や黄色など今までの色ではなくそこにある色は“透明”な色だった。
「透明ですね」
「だな」
飲んでみると驚いた。液体だけかと思ったら、ツブツブが入っていてそれを食べてみるとミャンゴの甲羅みたいに今度は野菜のエキスを濃縮した粒だった。
「さっきと同じパターンだから驚かんかと思ったけど驚いたな」
「確かに、おいしい。納得するスープでしたね。色がついてしまえばカラフル過ぎる物になってしまいますもんね」
こればかりは表現が難しいな。さっきの人にちらりと聞いてみたら、化学で分子料理?みたいなことをしているので何でしたら家でもできるとのこと、ただしこのスープの味付けがミソだから難しいですよとのこと。
そして次は魚料理。この店のメインとしてものすごく凝ったものが出てきたんだけどおいしいんだけどこれなんだろうってことでスルーすることにした。
少し口休めとして海藻が出てきた。モソモソ食べるのかと思って聞いたら、海藻についている茎でなく葉を少しナイフで削って口に含むとミントの香りがしてきて口の中と頭がリフレッシュされたので驚いた、さすが世界広し!って思ったね。何処で取れる奴だよこんな海藻。
「ハー、こんなにおいしいと明日からの食事が~」
「確かに悩みそうだな。今日がうまかったからな、明日おいしく食べれるかと言われれば心配だな」
『失礼します。本日の肉料理、ウィスボルンのロースでございます。』
「「ウィスボルン?」」
「(なんだろう?)」
「(なんでしょう?)」
『ハハハ、気にしないほうがいいですよ。高級食材ではあるんですが気にしないいでください』
言えませんよ、おいしいけど言えるか?20m級の大蛇でしかも一匹に付き200gしか取れないからこその高級食材と言えるけど言えば100人中99人が嫌な顔をするから言えないんですよね、私はおいしいと聞きますが現物を知っているけどあれを見れば食べたいと思いませんね。
「行っちゃいましたね」
「だな。(ほんとなんの肉なんだろう)」
「ハグハグ・ウマウマ!」
「ん~!お、おいしいですよ‼なんですかこれ肉汁が噛むたびにこぼれ落ちてきて」
「あぁ、その肉汁がとにかくすごいな、口に含むと鼻腔にまで届くくらいの豊潤な甘さが届くな」
「「・・・・」」
あぁうまい。
あの肉は噛むたびに甘い肉汁が唾液と混ざって甘く豊潤な匂いへと変化しそれが鼻腔を通って顔全体が幸せになり飲み込もうとしたら【まだ嚙めるよ、まだ噛めるよ】と言ってくるようなくらい飲み込むのが辛い。
あの快感はしばらく続くな。
うまかった。
満足だ。満足感がずっと続いているな。こんなに素晴らしい食べ物がこの世にあったなんてな。
「うまかったな。」
「ですね、おいしかったですね。これはデザートも期待していいんですよね?」
「俺はすでに期待大だが何かな?」
「フフフ、そうですね。楽しみです」
「ねぇ、智也さん私先ほどからずっと気になってることがあるんですが」
「奇遇だね俺もだ」
俺たちの頭上をユラユラとした影がたまに通るんだから気になる
「あれって何なんでしょうね」
「大蛇、かな?」
でっかいけどな
「!」
「ダメそうだな」
「私、蛇嫌いなんです。もし今日あの蛇が入った料理出されていたらすべて出しますよ、物理的に」
「女の子が汚い言葉を言わないの。ただ、あれって蛇だろ、てことは淡白な味って聞いたことがあるから入っていないんじゃないかな?」
『失礼します、本日のデザートをお持ちいたしm』
「すいません。話遮りますけど、あの大蛇って何ですか?」
『あ~、おいしいらしいですよ、ただ好き嫌いが激しいのであれに関しては事前に連絡してからお出ししています』
(ごめんなさい、オーナーから連絡なしで入れとけと言われてお出ししてしまいました。すいません。すいません。)
「よかったな、有紗。事前連絡されるから大丈夫だってよ。それにこの場で調理するタイプの店らしいし入店したときからずっと泳いでるんだから俺たちの口になんか入ってないって」
「そうですよね、あ~びっくりした。」
『(ごめんなさい。あんな巨大なの、この場でなんか〆れないしあんなにおいしく調理するなら事前に準備するからそんな期待感持たないで下さい、なんとかこの場は切り抜けなければ)あそこを泳いでいるのは10m級の蛇ですね。捌くのが大変手間になるので事前に予約されない限りはすぐには出来ませんよ(すいません。嘘つきました。ごめんなさい。)』
「そういえば、ウエイターさんは食べたことはあるんですか?」
『(来たよ、この嫌な質問、来ちゃったよ)いえ、私は外見でアウトですね。申し訳ありませんが』
「よかった、智也さん、一緒の人いましたよ」
「よかったな~。一緒の人が、“居て”(嘘つけ、知ってて黙って出したろ、オーナー指示だな。後で説教してやる。そしてウエイター、お前もロックオンだ!)そういえばウエイターさんのお名前うかがっても?こんなに丁寧に対応してくれたんですからオーナーに後で報告しておきますよ、良い方が“ずっとついて説明してくれました”ってね」
『(マズイ、考えてることもだけど、それ以前にバレた。私とオーナの命運が)い、いえ、お気になさらなくても』
「いえいえ、本当に教えてください。智也さんにも今日のことは感謝してるんです。だから最後にあなたの名前も教えてください。私、いつかまたここに来ますから」
『(いいですから、いいですから。そんなこと、考えなくて大丈夫ですよ、本当に、)あ、いえ、ここは ただのウエイターとしておりますから、だ、大丈びです。(噛んだ~!!終った~!)』
「有紗さん、ココは引いておきましょう、あとでオーナーに尋ねれば済みますからね、さぁ、気持ちを切り替えてデザートに行きましょうか、うえいたーさんお願いしますね?(あとで、覚えとけよ)」
『(!!)は、ハイ。今お持ちします。』




