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見ていて、とても楽しい。
別に困っている彼女の姿を見てグフフ、と見てるわけじゃない。何というか、こう微笑ましく後ろから見てるが正解だと思う。
そんな彼女だが、現在は訓練モードを使って、俺の艦で練習している。
必至で艦を動かしているつもりなのだろうが、この艦の設定で行くと、狭い格納庫から出た瞬間に擦る。何とか出せたとしても、曲がるときにぶつける。そして訓練終了となる。
今、少し悩んでいるらしいが、そろそろ20分が経つ。
だからこそ自分に見合った艦でこの訓練モードを選択するのがいいとされている。教えていないから本人は気づいていないんだろうけど。
訓練モードをしている時、自分の座っている座席がいつもと違うだけで調子が狂うし、コントロールパネルすら規格内の物が使われていればいいが、基本的にそれはあり得ないからこその学校ならではと言われているな。
「あ~~~、ヒント、ヒントお願いします!!」
折れたな。
「いいぞ、最初の設定画面で艦の選択画面を飛ばしたろ」
「ハイ」
「あそこからやってみろ、まず自分にあった艦を選べ、周りが見えるような艦橋のほうがいいがそういう奴はたいてい不細工と相場が決まっていて不人気ではあるが、だからこそやりやすい」
「わかりました、やってみます」
まぁ、艦を選択して現在20分が経過したところだ。先ほどは格納庫のあたりでバタついていたが、現在はステージ3にまで進めている。彼女が選択した座席は艦長席、この席はすべての部署のとりまとめになるから、感覚で行ける奴と地道にすべてを経験して座れる奴で分かれる。それが一番わかりやすく顕著に表れるのがステージ3というわけだ。
ココで訓練モードの説明をしておこうと思う。
前回、訓練システム許可証なるものを説明したと思うが、このシステム上すべての訓練システムにつながっていて持っている物は“最初から”“続きから”“選択”の3つから選ぶことができる。
基本的に初期は“最初から”しかないけど、5ステージクリアしたら3つの選択画面が出る仕様だ。
そして、ステージ30を超えるとランキング制になる。ランキング上位はそのステージでの得点で判断される。上位に行くほど、担当部署の試験での点数に考慮されるようになる。ただし、在学中にこのステージ30を超える者は少数であり、本来の授業でさえステージ15に到達出来たら卒業資格が自動的に与えられるくらいのものだからだ。
大体の説明はこんなものになる。続いてステージだが、最初は
ステージ1=入門編。
自分の選んだ艦が扱えるかどうかを確認するためのものだ。基本的に艦長・副長・CIC・通信・操舵・レーダーの中で、通信だけは外されるが、それ以外については確認のためステージ1で確認させられる。
例えば新しく艦を乗り換えるときの練習がてらチェックするものもいるくらい精度が高いのだから。
ステージ2=地上・海上・空中・宇宙で作用する基本形を確認するためのステージ。
ステージ3=地上戦闘
慣れた人は一瞬で終わるが、学生などの初めて触る人はこのステージでコケる。
基本戦闘など周辺に気を配らなければならない。ただし、見る方向は上と平面上の360度になる。
基本的にすべて的であるため味方誤射は気にしなくていい
ステージ4=空中戦闘
全周囲で敵反応がある。基本的にすべて的であるため味方誤射は気にしなくていい
ステージ5=海上戦闘
ステージ4と一緒な気がするようだけど、海上、海中、空中を気にしながらの戦闘になる。
基本的にすべて的であるため味方誤射は気にしなくていい
ステージ6=宇宙戦闘
全周囲での戦闘、宇宙空間であるため障害物が無いに等しいが、重力がないため迎撃した艦の残骸が残るためこれが障害物となり、その時の対応で得点にも影響が出てくる。
基本的にすべて的であるため味方誤射は気にしなくていい
ステージ7=救助活動チュートリアル
チュートリアルなので分かっている人は飛ばしてかまわないがわからない人は飛ばさないことがおススメ。
ステージ8~11までは救助関連での地上・海上・空中・宇宙に対応
ステージ12~ステージ789までは戦闘訓練になる。ここから敵味方入り乱れ、難易度も上がっていくことになる。
基本的に、
ステージ12~15までは初心者。全体数には反映されず
ステージ16~29までを新人。
ステージ30~300までをEランク。ココが一番人数が多いランク。全体の60%がここにいる、ランキング制が導入されてくる。
ステージ301~500までをDランク。全体の20%
ステージ501~600までをCランク。全体の10%
ステージ601~700までをBランク。全体の8%
ステージ701~789までをAランク。全体の1.5%。ここまで来たらエリート中のエリート。
ステージ790~は、ほぼ未知の領域とされAランクでさえ1のステージに進むために1年はかかると言われているステージ。ココに到達しているのは第七大隊のメンバーくらいになる。
Sランク全体の0.5%という狭き門。
基本的に各分野のステージで最高到達点にみんなが来ていると言っていい。
そんなところで俺だけすべての分野で、Sランクを取っている。
・・も・・さん。
「智也さん」
「!は、はい」
「ステージ3クリアしました。」
「おお、さすが。っとさすがに3時間はかかってしまったか」
「えぇ、でも実際にやってみて、わたしはどの部署をすればいいのかまだ分からないんですが、何か助言とかありますか?」
「ん~?とりあえず、教官たちに見てもらったほうがいいと思う。ここで言ってもたぶん授業で扱うから、この辺でやめにするのも有りだけどどうする?」
「そうですね、確かにそろそろ帰らないと学食も締まりますよね」
「また次の休みにでもここにきてやればいいよ」
「そうします」
「では、帰りますか」
「ハイ」
「ジェジェも付合わさせて悪かったな」
「いえいえ、いい経験になりましたから、大丈夫ですよ」
「じゃ、帰ろう、というわけで、後処理頼むなクロ」
【了解した。経過報告はメールで送ることにするよ】
「頼んだ」
誤字脱字、もし見つかれば報告、よろしくお願いします。