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追悼式
U.C.1813 3/31 14:00
「ミッドガルツ所属 24師団の指揮司令 四季殿は避難の最前線で作業しており民間人、多数の軍人を守るため最前線でその指揮にあたっており、次元震発生直後避難をする余裕もなく艦は大破、生存者は存在せず全員の死亡が確認されたことで今日この場所に慰霊碑を立て彼らの勇士を後世まで伝えます。そして今回の次元震を発生させた人物はいまだに素性が分かりませんが、いずれ彼らのためにも仇を取ります。必ず、ここにいる方たちの誰でも構いません。お願いいたします。
私自身、四季殿以外の隊員たちは挨拶だけで直接話をしたことはありませんでした。
なので四季との思い出を話させてください。
私は彼の同期であり同じ部屋で寝食を共にした親友でもあり戦友でもありました。
そんな彼が私の所に久しぶりに連絡が来たと思ったら、今回の災害の最初の発端となっていた船舶行方不明事件についての調査依頼を彼から受けたのが始まりでした。
本来なら私は彼の所に顔を出せない立場でしたが、あまりの有休の使わなさから、上司から行ってこいの一言で私が出向く次第になりました。
そんなことで彼と会った時、四季が言った言葉が今も心に残っています。それは、
『君みたいに世の中なんでも思い通りに進めないのはざらにあるんだよ。ある日突然誰かが死ぬのに、それに怯えて一歩も踏み出さないのかい?それはいけないよ、我々は前に進める生き物なのだから』
そんな言葉を彼にもらって、養成学校に入学した時と一字一句間違えることなく言われてしまえば、私も笑うしかありませんでしたからね。
それからは、いつも通り仕事をこなしていました。
もっと、彼と話しておけばよかった。
もっと、彼といろんなことを見ておけばよかった。
もっと、
もっと。
これが、彼が言っていた、前に進まなければならない障害なら、私は、その障害を踏みつぶしていく。
友に教えられた、私の人生の教訓なのだから。
・・・
ご拝聴、ありがとうございました。」
「ジェダロン・B・アシェロス少将、ありがとうございました。これにて、追悼式典を終わらせていただきます。」
パチパチパチパチパチパチ(拍手)
何とも、素晴らしいお話だった。だからこそ、彼のためにも何としても犯人を捕まえる。
逃げることは許さない。
誤字脱字、もし見つかれば報告、よろしくお願いします。