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【無理な仮定ではないと思うぞ、智也】



「どういうことだ」




【明らかにその推論が今回の事件に対して一番近い結論に達しているということだ。今、ニールとともに話していたが、ブラックホール説は過去に何度か話が出たそうだが、あまりの局所的な発生が記録されていたため有力候補どまりだったそうだ。一度、発生が確認された宙域に対して軍民間関係なく徹底的な宙賊狩りを行って周辺宙域を調査したがそれでも局所的な発生が確認されていたそうだ。】


「詳しいが、信頼できる話なのか?」


【この話がネットや噂をもとにしていれば信頼性が限りなく低いのだが、ニールの叔父がこの件の調査団のリーダーで、ニールの父親が宙賊討伐後の宙賊調査責任者、母親がブラックホール説での宙域調査責任者、ニールの姪っ子がその他要因の宙域調査責任者を担っていて、当時パシリ要員として、家族・親族・調査団の研究者全員のパシリをやらされていたから、すべての案件の調査内容を覚えてたそうだ】


「難儀だな。それもパシリを全員からやられていたとは」


【本人は研究者志望のために顔を覚えてもらうために立候補したが、実際にパシリを初めて1時間で、全員知り合いだと気づいて愕然としたということらしい】


「笑えねぇな」

ひでぇ話だな。騙されてやがる。




【それでも、今回の調査で役に立つことを覚えていたから人生、どんな事があっても損なことは何もないのかもしれないな。ニール曰く黒歴史の中の7番目にひどい思い出らしい】


「おっ!今のセリフなんか人間臭くていいな。そして7番とは、他にもあるんだな」


【まぁどうでもいいだろう。そんなことは。で、どう調査する?観測外から来られるとその時には死んでる可能性があるが】


クロよ。軽すぎるぞ。まぁ、俺からしてもどうでもいいけどな。



「開発班にはこういう時のために次元空間を観測できるツールを開発してもらえばいいのでは?と思っているがどう思う?」


【それは先に聞かないとだめなのでは】


「・・・」

すぐに作ってくれるかな?




「クロ、今から開発班に行って聞いてくる」


【ごゆっくり。私はフェルの罰を全力で実行してくる】


・・・終わってなかったのか。

フェルの罰って何なんだろう。







怖くて聞けないな







さて、聞きに行きますか。開発班って、誰を入れたっけな。











・・・・・まぁ、思い出したよ。ずっと開発研究室に入ってから今まで、食事はおろか日常生活すべてを研究室に作ったせいで開発班では外に出て活動している子はセティだけという何とも引きこもり態勢の開発班だこと。



さっきセティに確認を取ったら、もともとあった次元震を確認できる観測計ブイは昔からあったのを年々改良してグレードアップしているらしい。ただ、次元の中を移動目的、あるいは次元空間を観測するための発想がイメージできないせいで、誰も作れないそうだ。




だから、俺がアイデアを出しておいた。


宇宙空間が海上、次元空間が海中。ただし海であれば境界面が上下に分かれているので判りやすいかもしれないが、宇宙空間で境界線が判別できないのであれば、全範囲空間の真下か目の前の空間をまず最初に突き破る、言い換えれば亀裂を強引に作ればいいのではということを伝えたところ、インスピレーションが発想が湧いたとかで、すぐに研究をスタートさせたらしい。



セティも開発研究要員に駆り出しが確定したらしい。






大変そうだったな。





















それでも、わずか1日で試作品を作ってきたことには驚いたな。さすが魔工技師と呼ばれた方だ。










「突き破る。

ただ、その一点に今回は的を絞りました。お使いになる場合は、艦を全方位バリアでかこっておいてください。以前からあったものをすでにバージョンアップしており、環境の変化を確認次第、状況に応じてバリアの質を変更するシステムも盛り込んでいます。


その試作品の名は、『サヴェラス-NO.67』です。

申し訳ありません。もう少し、時間と状況が許せばもっと完成に近いものをお渡しできたことでしょう。ですが、閣下の言われた、次元空間に侵入しての調査に関しては現段階では、どの研究機関でも開発されたことはないと思われます。


さらなる研究と発展をこれから行っていくので今回につきましては、この試作品でお許しください。では、私はこれで失礼します。



クォルク・ナルベーリック魔工技師長




P.S.(追伸)

もし、地震との関係が自然災害ではなく別の要因ならば、今回はお逃げください。このシステムは戦闘用に作り上げていないため、少しの“戦闘余波”で“バリアシステム”が消し飛ぶ代物です。

お気を付けを」
















オイオイ!何すげぇ物を作ってくれるんだよ。それに、あなたは魔工技師で研究者じゃないのに予測を立てられるとは、恐れ入ったよ。わざわざマニュアルと一緒に手紙を渡してくれるとはな。




そして最後の一文。俺も考えないようにしていたけど、自然災害じゃなかったら即逃げろか。





とりあえず、針路を震源地の通り道まで移動してそのあと試作品を起動して入ってみますか、()()()()

誤字脱字、もし見つかれば報告、よろしくお願いします。


少し言い回しを変えました。

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