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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
【ハイネ!隔壁前閉鎖。速やかに宇宙服に着替えて艦長席のV2@ボタンを押せ!押せば艦内サーチが自動で入り最小100cm以上の体温を感じるものすべてのエリアがある経路を通って牢屋に1人ずつ格納される。
気をつけろよ。このボタンはまず最初に格納庫の隔壁扉を開く。宇宙空間に放り出されないようにネットに絡めとるが、危険なことに変わりはない。
だが、侵入者はこのことを知らない。急げ】
バタバタと宇宙服を着ている1人の男、ハイネ。最初宇宙服は艦橋に置いていないことを伝えて部屋に戻ろうとしたが、今現在船にどれくらいの人数が乗っているのか定かでない状況でうろうろすることの意味を考えると、大変危険であったため緊急避難グッズを使うことを決めた。
どれだけ小さな船舶にも必ず付いている緊急グッズ。どんな時でも最後まで艦内で指揮を取らないといけないと規則にも法律にも決まっているらめ艦長席周辺にエマージェンシーバックと共に備え付けられている。基本的に使用されないが、使用期限が決められているので船舶のオーバーホール時期になると一斉交換になる。まぁ勿体無いと思うだろうが、宇宙服に付属している電池や空気循環システム機構と大元の酸素発生装置は耐用年数と使用期間が規定されているので仕方がない。
それでもこうしてすぐに使うかどうかの判断に悩む理由の一つに、もしこの装備を使用したなら本部にどうしてその装備を使用したのかの報告義務が発生する。
今回の場合、侵入者を感知できなかったことも含め損害を確認しなければいけない。何よりも機密が詰まった我が艦に無断乗艦したのだ。相応の罰を受けてもらわなければいけない。
だが、それでも悪いか悪くないかと言われれば9割悪くて1割悪くないかもしれないレベルだな。
怒られたくはないが、今後このようなことがないように実証検分をしっかりとしないとまた起こる可能性があるからな。
それでもまさか、敵が侵入するまでいや侵入されているのに気づかなかったことでここまで不利になるとは。やはり一度設計思想からの見直しも含めて艦の乗っ取られを想定した奪還計画も準備しないとな。
でもまずは敵の排除が優先だな。
「で、ハイネ?装備できたか、ボタン押したか?」
【起動されてはいないな。か九人で来ていない。だがもうまもなく敵が艦橋エレベーターに乗るところまで来てるぞ、急げ】
俺もクロも艦の外にいるせいで他人事のような言い方になってしまう。
『わかっているさ。今から押すところだ。Vなんだったかな』
【艦長席にデカデカと通常で押さない。指示があるまで外すな!というコメントとともにカバーがかかっている蓋あるだろ?まず開けろ。開ければわかる】
ガサゴソという音が響いたが、すぐにわかったらしく押したとの一言だけが聞こえた。そして艦橋内の音が変わった。どこからか奇妙な音が響いているのだ。
『おい、副長?なんか耳障りな音が聞こえるんだけど俺の気のせいなのかな?
すい、吸い込まれる。
なぜ掴んで吸い込まれることを拒否しているだけなのに・・・・』
【諦めろ。吸い込まれないと艦内にいる大物ゴミ掃除が完了しないだろ?身分証明書とともに配布された腕輪か首にかけているドッグタグさえあれば問題なく対応できる。つけていれば、だけどな】
『本当だな?本当に、本当にこの黒くて丸い大きな穴に入るぞ!嘘だったら承知しーーーーーーー』
最後の瞬間だけ音が一瞬だけ大きくなった。そのせいでハイネの声が最後だけ聞こえづらくなったが、俺は地獄耳だ。よかったな。ちゃんと聞こえたぞ。しね。ねぇ。俺君の上官、理解していないだろうから後で覚えておきなさい。
ファーーー
彼のその後の声は今後このシステムを使ったときに起こるであろう事故に役立つことであろう。
何せ戦艦だからな。艦橋と格納庫は対角線上にあるため1番距離が離れがちになるのだ。他の船の場合は、艦橋の真下に備わっていたり、横にあるところもあるのだろうが、うちの戦艦は攻撃主体の特化型ではなくオールマイティーを実現するために色々詰め込んだからそのせいもあるのだろうな。
だが、ここで手をこまねいても始まらない。こちらも無賃乗車をかました連中の制圧に向かうとしよう。現在船内で行われている空気排出作業が終了しないと入れないけど・・・。
【捜査本部の連中が乗り込んでくるまで、残り3時間ほどだな。
みっともない姿を見せたくないからさっくりと捕まえに行こう】
泣きたくなるよな〜。どうして拠点制圧しに来たのにこんな大ボケやらかしたのやら。
「まかせろ。突入開始する。
右はまだ空気が正常値に戻っていない。左もまだ難しい。
下は排出中。上は通常値に戻りつつあるので、艦橋を確認していくことにした。
って、なんでナレーションをつけて話さないといけないんだよ!」
【私とのジャンケンに負けたからだろ
諦めないさいな。誰も周りにいないはずだから、気にせず、ホラ言ってごらん】




