表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
479/486

479

誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。


まったく、本当にひどいよね。恋人いるのに・・・・。



「まぁ、気づいていないというか連絡をもらっていなさそうですよね」


「いいの?有紗ちゃん。恋人になってすぐに離れちゃったからもう要らなくなちゃった?」


「いえいえ、そういうことはありませんよ。ただ今、彼に会いたくはないですけどね」


そう、今は今だけは会いたくない。何日お風呂に入っていないのかわかったもんじゃない。もちろん体は硬めに絞った濡れタオルで拭いてはいるけど、彼の前に出れる格好をしているわけではないから今もし救助されるのならどうでもいい男に救助されたい。彼に見つかったら幻滅されることはないと理解はしているけど、見せたくないから。


見せたくはなかったんだけどなー。



『投降せよ』


声が聞こえた。

彼の声だった。

気密扉の向こう側にいるのがはっきりとわかるが、本部の指示が私を踏みとどまらせてくれている。私だって彼に会いたい。智也くんに会いたい。でもまだ会えない。今は仕事中。

この扉には付属されていないけど、本部が持たせてくれた高性能のシールドを気密扉に貼り合わせるようにしてどんなに攻撃力が高い銃が使われたとしても守られるようになっているから大丈夫だとは、思いたい。


『そこにいるのはわかっている。この気密扉を開けないのであれば、それでヨシ・・・クロ。こじ開けろ。』


・・・こじ開ける?

!?

「ま、まっt」


【了解、部屋より少し大きめにカット中。

これより側ごと外す。

注意されたし。

敵対すれば、・・・・・。智也。攻撃中止。攻撃中止。味方の可能性がある。確認せよ、確認せよ】



あぁ、見つかってしまった。確かに命の危機にあったけど、ここまですぐに見つかるとは思わないよ。どこで気づかれたんだろう。そう思っていたんだけど、思い出した。

私たちがつけっぱなしにしているこのドックタグには血液型や生年月日、名前以外に副艦長のクロしか識別できない船内から船外に出たことを検出するICチップが入っていたこと。現在一部機能を残してICチップからの読み取りを停止中にはしてあったが、私たちがしているドックタグは紛れもない本物。そしてこのシャッターの向こう側にいるであろう人物と私たちが想像できる人物は同一人物。

この展開は予想しておかなければいけなかったが、私たちが事故などで船外に飛び出してしまうことがあまりにも少なく、船外活動は艦橋メンバーにはほとんど機会がなかったから存在すら忘れていた。もちろんシャワーを浴びる時は思い出すけど、それくらいであったから忘れていたのだ。


「あ〜忘れてた。ドックタグね」


「そうでした。高性能な機能が埋め込まれているから何かあっても大丈夫だと言われてみんな最初は半信半疑でしたが、誰も気にしなくなってましたね。私たちもですけど」



無茶苦茶なことを思いながら今まさに向こう側から漏れる光を目にして、愕然とした表情を浮かべ成り行きを見守ることにした。



助け出されてから十数分後には本部とのやりとりがようやく終了して、私たちは本部に帰還命令が出された。当然だが、今回の鉢合わせは事故として私たちの経歴には斑らがないように手を回してもらった。これにて潜入調査は一応終了したことにはなる。

これから打ち上げたという本部の人たちに断りを入れて、この数ヶ月間を共に過ごした智也くんのご両親と一緒に智也くんを追いかけることにした。

ただ、一緒に生活をしているとふと思うことが多々あった。

彼らは一体智也くんの本当の両親なのだろうかということ。似ているようで似ていない。

仕草や表情もそうだし、言動や言葉遣い、喋り方も少し違う時があった。ずっと気になる彼らの所作に私は今回の仕事で何もしない時はずっとそのことばかりを考えていたが、結論は出ない。今度彼に会うときに聞いてみたらいいだろうと問題を先延ばしにすることにした。






少しだけこの犯罪組織の拠点が陥落する直前に戻る・・・・。


【落ちたな。どうする?突入するか?】


クロは砲撃を敢行したことで拠点制圧が完了したが、このまま拠点に向かい犯罪者を拘束するかを聞いてきた。

もちろん答えはOK。突入を敢行して、拠点内をぐるぐる歩き回る。


かれこれ30分近く歩いてはいるが、一向に人の気配がしない。クロに確認したかったが、あいつも自分の船を降りてアンドロイドボディでこの拠点と艦と通信で行ったり来たりしながら人影を探す。探して探してようやく見つけたと思いきや、気密扉に気密シャッター。勢いよく飛び込んだが人の影が見つからない。なぜなんだろうな?



『答えがわかったぞ。艦長、副長!彼らはその拠点にいるが、探している階層が違う。そこは発着場と搬入口だ。犯罪者が潜んでいそうな場所はそこからさらに3階層下のブロックにいる。地図はこちらで入手したから転送する。副長はさらにその下の船舶格納庫に向かって欲しい。船の出航をできないようにして欲しいと警察関係者からの通達が来ました。よろしくお願いします!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ