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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。


ここに残された記録には、ワシしか書いていない。ワシの命すら後僅かだと悟っているし、もうこの資源惑星に残る同胞は誰もいない。死に絶えた。


この星で生きた者たちには誰も悪意をぶつける事はしないでほしい。誰も望んではいない。




だが、人族の青年だけはそんな我らを見捨てる事なくそれでも時間を見つけては、様子を見にきてくれた。


彼がこの星に来るたびに言うんだ。ここに新たな巨獣惑星を作ろうと、何をいっているんだろうな?居住可能惑星のことかと思えば、テーマパークというのか?巨大な宇宙生命体をここに置いて、集客してお客さんを世界中から呼ぶんだ!と何をいっているのか、当時は理解に苦しんだが、1人また1人と仲間や同胞が死にゆくときにわかった。



ワシらを解放するために奮闘してくれた仲間たちがワシらと肩を並べて酒を飲むための口実づけにしたかっただけだったのだと。







そして、ここにワシの最後の罪を記す.











ワシは、そんな友の言葉を理解せず突っぱね、2度と来るなと言った。言ってしまった。

2ヶ月後、軍人がこの星に訪れた。そして、彼が重たそうにその口を開いた。


「この星は、この先500年間出入りを禁ずる禁止区域に制定されました。今日この日この時刻より、何人たりとも立ち入りすることを禁ずる。許可なく立ち入ったものは、死罪に処す。

尚、この制定に尽力した人物の名は、名前は伏せますが、ラングストン家の一族に連なる者とだけ記載します。



これが書面です。

ここに置かれているであろう通信機にこちらから上陸の許可を入れます。許可なき場合は撃墜されるように攻撃惑星も配備するようになっております。



それでは、これにて失礼させていただきます」



男は、去って行った。

500年。我らドワーフの寿命が尽きるギリギリの年代だ。


後悔してももう遅い。あの通信機は、友からもらったが、喧嘩別れしたその日に壊した。誰も彼もが納得して壊したので、誰も直せなかった。





辛い日々、ただ後悔と共に仲間が今日も1人昨日も1人、死んでいくことしか見れない。だが、これでいい。


ワシらの世代では悲しみしか知らない世代。明るい世界は、ワシの後の世代が謳歌していると聞く。


だから、この碑文に成り果てる遺書には、図々しくもワシが一つだけ後悔している望みだけを連ねておく。





この場所を訪れた観光客よ。頼む、ラングストンという家系を探して、ワシのこの遺書を伝えて欲しい。

後悔していたと、寂しかったと、謝っていたと。そして、彼との対話だけでワシのこの荒んだ心を解きほぐしてくれたことを、敬意を持って礼を尽くして、ありがとうと伝えてくれ。






671番から名もなきドワーフになり、君につけてもらったコロンという名を気に入っていたと彼の墓前に、頼む。


さらばだ、友よ。我らはノーム。死ねば土塊に帰る。だから遠き星々のさらに屑星に成り果てたとしても、君のことをいつか見つけて、会いに行こう。我らは、同じ志で世界を救う1ページに載る同士なのだから。



封印の地、解放まで9ヶ月に迫る今日を生きるコロン。





1ヶげつまで生きたぞ






後、3日だが、明日明後日までは持たないだろうな、すまん。生きて世界に出たかっt





___________


記載は、ここまでになっていた。彼が助かったかは、書いていないが、碑文の横に、エルフ文字で小さく彫られている文字を発見し、ハイネに読んでもらったところ・・・。



「この全てを記憶した、安らかに眠れ。そしてこのラングストンは我が一族。

これより一族の墓に向かい、貴君の遺書を読み上げよう。多分だが、父か祖父な気がする。本人から聞いたことはないが、故郷の絵本にはあるからな、遠き過去に囚われた呪われたドワーフの一族、その反省と後悔と希望とという物語を・・・。

実話だったんだな。持っていくさ、あなたのコロンさんの思いも一緒に



この遺書を読めるものは、エルフ語も読めるだろうから伝えておく。彼は、この星から出ること叶わずドワーフ特有の病で最後を迎えた。我々がこの星に来たのは、彼が死して数100年。もしかしたら1000年近く経ってからだ。だからこそ、伝えておく。

私は、バリグスト・フォール・ヴォルフ・ラングストン。ラングストン家の一族の者だ。この文章は一族の隠れ墓にも一緒に伝えておく。どちらかには確実に葬られているはずだからな。だから、この星に来た観光客や、学者さんたちに伝える。


これは、後世には残さず破壊はせず、この星は彼らの墓標として安らかに眠らせてあげてほしい。

頼む」




・・・。まさかの遺書に落書き。だが、これで周りに伝わるか。それにしても墓所に向かっただと?


「墓所?」

「エルフ領のどこかにあるのは知っているが、墓所は知らん。だが、はっきりとわかるのは一度エルフリーデンに行くのがいいかもな、どういう仕方で戻ったかが不明だが確実に次の目的地がそこだろうからな」


俺とハイネは共に顔を見合わせて頷く。戻るのだ。宇宙港に、場所は定かではないが、今度はエルフリーデンに行ったという自分でこのメモを残しているのだから。ちなみにこのメモ書きを残したのは、一年以内というのだけはわかった。そこまで風化していないのと、ハイネがいうには、最近エルフたちに使われる言い回しが随所に見られるので、古い言葉で書くよりかは、わかるように配慮しているそうだ。



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