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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
五日後・・・・
「ついたな」
「だな。こちらが掴んでいる名前と向こうが持っている名前の不一致から来る行方不明は、本当に大変だった」
【担当者が全て悪い。確かにだいぶ昔のデータだとはいえ、データを打ち込むのではなく、メモで残したことによる読めない字がココまで悪影響になろうとはな】
宇宙船の乗り換えを行った時に、担当者が適当な処理をしたので、その後の情報に差ができてしまい、どこに出国したのか、どこ行きに乗ったのか一時的だとはいえ、わからなくなってしまったのだ。
それだけで数日費やしたからこそ、皆の疲れ具合がわかるだろう。
担当者もその上司もお役所仕事でのらりくらりとゆっくりするので、こちらが持つ最大権力と圧力でさっさと調べさせた。ちょっとイラついたことに関しては、俺は悪くない。と思いたい。だが、みんな思うことは一緒ということだろう。
「学校でも復習のために開いたノートが読めなくて苦労したことはあったが、それを社会人になっても治らず他人に迷惑をかけると、こうなるのかというまさに実例。そしてそのことで彼はクビになりかけてたしな」
【クビだろう。私ならハッキングしてでも】
「クロ!それは犯罪!」
「副長!それは、流石にまずいですよ!やるならバレないようにコソッと手を回したほうがいいですって」
その後出発しても艦橋内では今回の顛末を予測して笑い話にまでなったが、それでもドワーフの宇宙港でのトランジットからなんとか割り出せたので、こうやって次の目的地に向かって艦を移動させているが・・・・
「ハハハハハ」
1人、笑いが止まらない男を介抱している年若いエルフがそばに居た。
さてさて何があったかというと、とある名もなき資源惑星に立ち寄ったとの情報を得た智也とハイネは共に宇宙タクシーに乗り込み、名もなき小さな資源惑星に辿り着いたのは、ハイネが知らない過去の物語。そこに有ったのは小さな墓標とそこに何があったかが書かれた時代の闇を記載した壁に、床に記載され消せないようにされた隠された歴史書。
そんな場所はこの世界で時々見つかるが、それでも見つかったからといってすぐに歴史博物館に入れられるわけではないが、これはもしかしたらそんなことを言えない代物だった。
大昔、まだこの辺りの治安が大変危険な時代。
このドワーフたちを使役する星の住民が、戦争を仕掛けてきた星に滅ぼされた。ワシらは期待した。
解放されることを。
だが、違った。滅ぼした星でさえ、ドワーフの武器や防具にしか興味がなく助けることなくさらに過酷な環境で働かされる毎日だった。
そんなある日、恨み連ねていた人族の青年がやってきた。最初はワシたちに辛くさらに厳しいことをいっていたが、それはカモフラージュだとすぐに気づいた。なぜなら、この青年はワシらを一切叩かなかったからだ。
そして青年は1人のドワーフに、この苦しみから解放を望むか聞かれ、YES。ただ一言伝えた。それから彼は消え、何年もさらに辛く厳しい労働環境についにドワーフの1人が倒れた。命に別状はないとはいえ、もう彼らの精神的疲れから心中するために蜂起しよう考え行動に移すべくことを動かそうとしたその時、彼がきた。
びっくりしたワシたちの前に彼は長いこと希望だけを見せてしまって申し訳ないと頭を下げてきた。
ワシたちが今必死な思い出生きていたこの惑星から侵略者を追い出し、星から追い出すのではなく新たな同盟国家を作るのでその領域外へと押しやる計画を教えてくれた。
ワシらにして欲しいことは、当日とある時刻に誰も外に出ないことただそれだけで良いと。
彼にワシらは聞いた。「なぜ、出ないだけで良いのかと?」彼は答えた。「もうすぐそこまで戦う戦士たちがきているから後は自分が帰還すれば、行動を始めるだけだ。だから外に出ないようにしてほしい。頼む」と真剣な表情で頼まれたが、ワシらにはそれは不服だった。この解放戦線に参加させないのは、新たな侵略者などではと勘繰るものもいたが、それは違う理由で明かされた。
なんでも、この星にいるものの4割は侵略者だが、残りは他の星から連れて来られた者たちで彼らの解放も合わせて行うが、意思疎通や事前の打ち合わせも信頼関係も成り立っていない全く違う軍隊が同時に二面作戦を行なっても良いことがないので、今回は諦めて欲しいことと共に惑星解放後、彼らを領域外にまで追い払う役目を一緒にして欲しいと、戦艦は渡せなくても、巡洋艦や重巡洋艦などの宇宙船を渡すため、説明書を熟読して欲しいと渡されたからだ。そのおかげで、追い出した後は解放した友たちと共に解放してくれた仲間たちと一緒に追撃戦に参加できた。
ワシらは、その後ドヴェルゴ星系という三つの居住可能惑星と大小様々な5000個を超える資源惑星で支えられる一大生産拠点として姿を変えることになった。
だが、外宇宙でワシらを解放するために戦った戦士たちと、奴隷状態だったワシらの亀裂はその後数年間埋まらず、主にワシらが悪いが、生き生きと暮らす物たちを見て彼らとの軋轢を生ませてしまった第一解放世代は、後世の子供達にこの悪夢を残さないために、この星に移り住むことを決意した。




