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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
だがすぐに戻ってくるつもりの感じだったのに、戻れなかったのか。どうしてなんだろうな・・・
『それは、あやつらに運が無かったのと責任を人任せにしすぎた弊害だな』
コロニーでハイネとクロと共に探索中に大きな大きな蛸さんにそう告げられた。
思ったより大きくて驚きを通り越して三人で固まった。
「で、でかいっすね。蛸さん」
「あぁ、これは蛸じゃなくてクラーケンっていう代物にならないかな?」
【それよりもこの頭に響く声、私は機械なのにそれでも伝わる意思疎通。不思議ですね。ぜひ活用してみたいが、今の科学技術では不可能な気がしますね】
三人とも全く違うことを言い合いながら一瞬現実逃避をし始めたが、話しかけてきた蛸もどきがさらにこちらに対してコンタクトをとってきたことで現実に引き戻してくれた。
『ハハハハ、そんなに驚かなくても良いぞ。君たちが悪いものではないのは理解している。
過去、遠き過去に我々海に住まうものと地上で暮らしておったものたちとの戦争があったのだ。それが過去に行われ現在も回復できないほどのダメージを負ってしまっておるんじゃ。
いわば死の星というやつだろう。
だが、この惑星もタダでは死なん。今でも惑星がガンバて元の世界に戻せるように頑張っておるが、焼石に水という奴であろう。
そしてそんなことをしながらワシは、興味が湧いた諸君らに接触したというわけだ』
そして何故、今回こちらにコンタクトをしてくれたかを丁寧に教えてくれた。この蛸さんは、その後今回立ち寄ったコロニーにはこれ以上近寄らないようにと言われた。
理由としては、かなりコロニーに無理を言わせるような整備の仕方をしただけではなく、責任はすべて人任せで誰も責任を取らないというバカな真似をして、死者を出しても責任は別のやつを言いながら逃げてばかり。そんなことばかりをしているもの達が多すぎてある時離反者が出たという。
その離反者の1人が目の前で優雅に踊っている、蛸らしい。ありえるかありえないかで言えばありえないが、この蛸自体もどうやって海産物扱いになったかわからないらしいんだが、先ほどからジョークが出るんだけど、突っ込んでいいのか、悪いのか全くわからないから軽くスルーしてる。
だって、どうしろってんだ?
“昔、昔。大きな声が頭の中に響きました。この星を憂い、そして同じ人種だったものたちの信頼関係を無くして死の大地に上がる決意をした時、母なる星の声が聞こえた。そんな声の支持の元、気付いたら足が触手付きになってたんだ。コロニーの反射板を鏡のように使って自分の姿を見たら蛸になってたんだ〜。これって俺、食われるやつじゃね?海産物じゃん!”
とか嬉々として喋るな。反応に困ることを言われても困るんだと困惑していたんだけど、向こうが気づいてくれて、返しのコメントは期待していないよ。仲間内でも盛り下がった話だからね。とさ。
こんな巨大な蛸がまだまだ沢山いるらしいが、彼らはもう人間に希望も未来も持ってはいないらしい。
「だったらどうやって生活しているんだ?捕食者として君臨しているなら世界が死の星で食べ物の無い場所でどうやって生活してるんだ?」
『正確には、蛸もどきというらしい。完全に海産物として生活してしまうと、海中のゴミ生物並みに腐敗してしまうらしい。だが、この惑星が希望は死の星脱却らしい。
協力して惑星を救ってくれたら人間に戻すこともできると言われてしまって少しやる気を出す者もいるかと思いきや、ワシ以外誰もやる気もいなかった。数多くのコロニーが廃棄されて逝く百年。そろそろ有害廃棄物が漏れ始めたが、惑星が海に垂れ流せと言われてどうしようかと思ったのじゃが、まぁワシ死なんしってことで暇つぶしも兼ねてコロニー破壊し尽くして、このあたりは百五十年前くらいに壊した廃棄コロニーだな。この辺りの人間は、核廃棄物をさらに使用して熱源にしていたんだがその技術も年々廃れて行き最終的に使うことはできても整備できるほどの技術継承ができないことによって事故が起きたんだ。燃料が溶け出したとか爆発したというわけではなくてな、保守作業ができないことで電力が止まり、電気も酸素も使用できない形で10時間後には権力者たちが脱出後、全員がコロニーで死んだ。
その後ワシがここに来た時には遺体は腐敗していたので海中からコロニーに触腕を差し込んで海水を入れて中の物をきれいに洗った。
だからあまりこのコロニーには入らんほうが、良い。
ワシの生まれ故郷とはいえ、あれほど保守点検だけは技術継承をしろと口を酸っぱくなるまで言ったのに、ワシは追放、そして故郷は崩壊じゃ』
「お気の毒に」
暗い話だなと思っていたんだけどさ。この時までは・・・・。
『ハハハハ、それがなちょっとした訳ありではあったんだが、追放される少し前から地上に出る秘密組織と繋がっていたのでそこまで気にはしていなかったんだ。そのおかげで故郷で死なずにこうして生きていられる。
今も世界と繋がっているから、大丈夫じゃ!』




