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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
【見えたな。海底コロニーだ・・・・海中ドックは閉鎖されているようだから強引に行くしかないか。少々荒っぽくなるが、許せよ】
おいおい、待て待て、何んで突っ込むこと前提なんだよ!
「うん、行っちゃえ。もう誰も居ない前提で突っ込んでしまえばいいさ。責任はハイネが取るし」
「!? オ、オレ!」
なんで、どうしてオレが責任を?何も言ってないし行動すらしてないのに、なぜ自分が責任を取らなければ・・・
オレが混乱している横でクスクスとした声が聞こえ、意識というより目がそちらを向いた時、艦長と副長が口元を押さえて笑っていた。
コレはあれだ揶揄われてたというやつなんだろうな。突っ込んでいい内容か分からないのは迷惑以外の何物でもない。
「ハァ、艦長」
「【プークスクスクス】と冗談はさておき、突入は決定事項だ。元々予測の上で今回の行動目標を決めていたっていうのがあったからな。
クロのお茶目さにビックリしただろ。
だが今からは気持ちを切り替えて作業を行うぞ」
おー!とは誰も言わないが、黙々と作業をする。何処かこの海の中と同じく艦橋も静かな場所へと変わる。
それぞれの息を吸う音。
吐く息、コンピュータから排気される熱気、操作音を消してもタイプする音。
カタカタと無音世界に作業を真面目にする者たちがいる。
だがすでに見えている。わずかな金属が鏡の役割を果たしながら俺に後ろの偏った情報を与えてくれている。
何もない場所、外の景色を目視で確認するわけではないため計器を見ながらの作業にも関わらず、見えるのは艦長が大きな口を開けて欠伸をしているとこだった。そして目が合い
「基本的にクロ1人いるから俺たちの作業なんて最初と最後くらいしかないよ。そんな真剣にしても飽きたでしょ!ホラそろそろ海底コロニーの外殻外縁部に到達するよ」
近くで見るととことん大きなことが分かる。この艦がスッポリと隠れてしまう。それでも大きいのに縦にも横にも大きなコロニー。
「まずはこの場所に入るための準備から・・・
排水開始。港湾施設内には酸素を入れようとすれば崩壊などで大変危険なことになることが多いから宇宙服を着て、外に出ることにするぞ」
慎重に慎重に海水の排水を実行してかれこれ50分くらい。いつまで経っても排水され続ける格納庫ハッチから、侵入用の信号が赤から青に変わったことで、格納庫の扉が開き始めた。緩やかな動きで格納庫のハッチが開き外界と海との隔たりはシールドで防いでいるようだった。
どこか神秘的にどこか近未来を思わせる景色と共に侵入する。
だが神秘的なのはそこまでだった。
泡々の格納庫、何処か焦げてる部分を多数残して多くの引き摺る跡が物語るのは・・・
「急いで脱出した後のようだが、もしかしてどこのコロニーもこんな感じなのかな?」
【速報出来るほどの情報がないので、説明力に欠けるが、現時点で分かっていることがこの星に何かあったこと。そして数々の海底コロニーが数多の攻撃のような形で破損しているようだという事。
コロニーの天井部分に大きな穴が外側に捲れるように開いているのは、コロニー内部から。
コロニーの内部に入るように開いているのはコロニー外からの攻撃と見ていいという事。
導き出される答えが出せない状況だ。
今わかっていることを強引に繋ぎ合わせるなら戦争。
だがそれにしては、世界中の生物を消し去ることは出来るのかという謎。
もし戦争以外なら、どういう事になるか。
全くもって意味不明】
そのままクロ副長は、さらに情報の擦り合わせと精査に入った。
こうして謎の侵入セレモニーが成功したが、待ち受けていたのは謎ばかり。
だがここでウダウダと考えていても始まらない。
今自分たちに出来ることを!をモットーにこの場でできる監視カメラの録画データの引き出しやこのコロニーのもっと詳細なデータを艦長と2人で探し始めた。
黙々と粛々と探し回ってようやく確認できた事。
「コレは・・・」
「大怪獣バトル?」
【巨大な触手がコロニーを突き抜けてますね。それもコロニーのすぐましたからの場合突き抜けて、少しズレた場所からは外から攻撃するやり方で双方に大ダメージを与えたと。確かに自分たちの最後だという暗黙の納得があって、市民は脱出を心に決めたのでしょう。結果がどうあれ逃げ仰せたのなら、それは人々の勝ちでしょう】
だが一つ納得がいかないものがある。そんなデカい生物が今まで発見すらされなかった事に意味がある気がして、更に詳細なデータを漁り始めた。
漁って初めてわかったことは、どうやらコロニー側の人間が、海の生物との約束に従わなかった事が最大の敗因のようだった。
岩盤が厚くなっている場所を深く掘らない。海を汚さない。地上のバイオハザードが終了次第海底コロニーは放棄して地上に戻って欲しいと。
大体3つの約束事を守らなかったことが行けなかった。そして約束が守られなかった時の罰が、彼らを襲いこの星からの脱出劇になってしまったと。
だがすぐに戻ってくるつもりの感じだったのに、戻れなかったのか。どうしてなんだろうな・・・




