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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
世界は広い。宇宙に人類が到達した時、人は母星を捨てるのか?否、残りたいものもいれば残らざる得ない者も居たはずだった。
だがこの星の地上には、人類の歴史が無かった。誰かに大地に存在した全てを根こそぎ取り払われたかのようだった。
この世界には存在しているだけで危険なことがある前触れでは無いかと、智也は観測データを見ながら考え込んでいた。
過去の現場からも照らし合わせても異常なのだ。
「どう考えてもコロニーが海にある。コレは魚人族でも住んでるのかと言えるが、違いそうだ。この辺りに詳しいやつに問い合わせてもその辺りは当時から、入ると戻れなくなることで有名で、挑戦者以外入るものは近代になっても少ないから分からんと言われたから、調査のために自分の足で降り立ち、調べるしか無いよな〜」
【だが、危険なことに変わりは無いから、十分な調査結果を待ってからだぞ!】
「おはよう。智也、クロさん」
「おはよう!今起きたようだが、疲れてたらしいな。もうすぐ昼飯だからちょっと飯は食べずに待っとけ」
【少しシャワーを浴びてきた方がいい。予想以上に情報が集まって事態の収集に手間取っているからな】
あの2人が少し焦っているのが気にはなったが、確かに頭がスッキリしないのも確かなのでシャワーに行ってくることにした。
「うーん、予想以上に広範囲に海底コロニーが存在したことだ」
【それもそうなんだが、気づいたか?】
「あぁこの資料からもデータや動画からも確認できたことだが、やはり昔居住していたが今はこの星にいないと言う結果が1番有力なんだろうが、それにしては発射台なんかの代物がない。もしかしたら海中から海上にそのまま飛び出して宇宙に上がった可能性だろ?だがそれにしては海底コロニーの様子が少々いただけない。
あの居住コロニーは静かすぎるんだ。まるで何かに引き篭ったかのように」
コロニー内にカメラを持ち込ませることができないのも考えものだが、仕方がない。こちらから降下して侵入するしかないのかもしれないな。
ハイネが来たら今日の予定を話して、サクッと惑星降下しようか。
「んぐ、ング」
「ハイネ、汚い。飲み込んでから話せよ」
【智也が急かすからだ。今日の予定はせめて食べ終わってからやればいいものを】
そう、ハイネがご飯中に今日のこれからの行動目的をぶっ込んだ。一瞬吹きかけた気もしたが、頑張って飲み込んでくれた。
当初の目標なんかは色々あった。だが、このタイミングでいろいろな情報が揃ってきたので、話と飯を一緒にしたのが間違いだった気がするが、知らん知らん。
今日これからの行動予定は、まず一つ目に降下タイミングはこの星の効果ポイントの日出とともに。
二つ目が地上の確認と調査のための調査偵察用ロボットを降下させて情報収集に当たらせる。
三つ目が海上に艦の進路を向けて、海上から海中に潜航する。
海底コロニーは、近づくことはせずにまずは、調査。反撃などを考えて単独でいきなり近づかない。
と言うことを話し合った。若干1人むせていたが気にするものはこの中に誰もいないことは明白だった。
【日出まで80秒前】
「降下シークエンス起動。全工程はクロに一任。
ハイネは引き続きソナーの監視を頼む」
智也は大気圏に侵入する工程から地上への道順を常に確認しながら進路極めを進めていた。何か危険なことがあったらすぐに自ら操縦桿を握って艦をコントロールするために操縦桿の近くに手は置いたままだったくらいだ。
緊張感は常に感じる大気圏降下。
クロにすべてをとりあえず任せて最終降下ポイントに常に異常がないか見張っていたが、あれほどの警戒が嘘のように侵入は楽にできた。過去の遺物で降りてくるものたちすべてに攻撃してくる装置が起動していないのは良かった。
それでもやはりデータと自分の目で見るのは全然違うと思い知らされた。
この星にはやはり緑があるが、高い木などが少ない。腰くらいまでの木が整然と並んでいた。それ以上に異常なものが、生物が存在しない。少しも警戒網に引っかかることもない。この世界が明らかに異常なのはわかった。
仕方がないから、海底コロニーに向かおう。
そう思って進路を南に向けてもらった。
クロの運転は静かで何の音も聞こえなかった。だが、確実に何か得体のしれない恐怖にだけは襲われていた。何せ、ひたすら背中を冷や汗が制服のシャツを濡らしていたからだ。
海面から海底までは慎重に進んでいることも含めて1時間。ゆっくりと海の中の生き物を確認したら、白い漂流物が漂っている階層にでた。
クロに確認してもらったら、海中に存在した海に生きる生物の成れの果てが、カスだけが常にこの海域階層帯を漂っているらしい。
何とも大変な場所に来てしまったが、まだまだ海底コロニーまでは先が長い。気長に行くしかないのである。
【見えたな。海底コロニーだ・・・・海中ドックは閉鎖されているようだから強引に行くしかないか。少々荒っぽくなるが、許せよ】
おいおい、待て待て、何んで突っ込むこと前提なんだよ!




